腕時計の代わりにApple Watchなどのスマートウォッチをつける人が増えています。スマートウォッチはスマートフォンからの通知を受けるだけではなく運動量の計測や心拍数を計ったりと日々の健康管理にも使うことができます。とはいえスマートウォッチではなくブランド品の腕時計を好む人は多いでしょうし、スマートウォッチは頻繁な充電が必要です。

もしも日々の健康管理のために何らかのウェアラブルデバイスを使いたいと考えているのならば、手首にはめるスマートウォッチではなく、指に装着できる指輪型のスマートリングの購入を検討するのもいいかもしれません。スマートリングのメリットは指輪サイズのため場所を取りませんし、はめている姿も不自然には見えません。また手首には自分の好きな腕時計をつけたまま使うこともできるのです。日本製のスマートリングも出てきており、製品の選択肢も増えています。

  • 種類が増えてきたスマートリング

日本製の製品を紹介する前に、まずは海外で発売される最新のスマートリングを見てみましょう。「RingConn」は重さ3グラムから5グラム(サイズによる)の指輪型デバイス。金属製の指輪の内側にはセンサーが搭載されており、心拍数と血中酸素濃度、心拍変動測定、また睡眠状態の記録も行い、総合的なデータからストレスレベルも計測してくれます。IP68の防水に対応するので指にはめたまま水作業をしても問題ありません。

  • 健康状態を24時間モニタリングできるRingConn

指輪のような小さい大きさで心拍数などを測定できるとは驚きですが、搭載されているセンサーのサイズも年々小型化しており、数ミリ角の大きさで正確なデータの測定が可能になったのです。また手首よりも指のほうが皮膚の厚さが薄く、筋肉が当たって干渉することもありません。さらにスマートウォッチよりもスマートリングのほうが肌に密着しやすく、そのため生体データの検知もスマートリングのほうがより正確な値が得られるのです。

  • 指輪型のほうが皮膚へしっかり密着する

バッテリーの駆動時間は最大で7日間。バッテリー残量が少なくなればスマートフォンアプリで警告も出るため、充電切れを起こす心配も少ないでしょう。充電台は小型のケースにもなっているためRingConnを指から抜いてケース内に入れるだけで充電と持ち運びもできます。スマートウォッチは背面に充電パッドを取り付ける必要があるものが一般的であり、充電のしやすさでもスマートリングが勝っています。

  • 専用ケースで簡単に充電できる

また日々の歩数や運動量ももちろん計測可能。そこから消費カロリー計算もされます。ちょっと面白いのは「立ち時間計測」で、立ったままの作業を続けている人などにはどれくらい立ち続けたかを記録することもできます。スマートウォッチ同様にスマートフォンアプリで日々の健康データや生体データを記録可能です。

  • スマートフォンアプリで健康状態をチェックできる

なおスマートウォッチは手首の太さに合わせてベルトで調整ができますが、スマートリングは自分の指にピッタリのサイズのものを買う必要があります。RingConnはオーダー時にまず指のサイズをはかるためのサイジングキットが送られてくるので、どのサイズがぴったりあうかを実際に確認し、その指輪サイズを伝えると製品が送られてきます。RingConnはクラウドファンディングで資金調達が終わったところであり、2023年4月から出荷開始、価格は279ドル(約3万6,000円)とのこと。

  • 指のサイズを確認できるサイジングキット。なお他のスマートリングでも同様のものが提供される

もう1つ紹介するのは日本のSOXAIが開発した「SOXAI RING」です。こちらも日本でクラウドファンディングを行い、一般販売は2023年4月から。3月に指輪サイズを図るサイジングキットが送られてくる予定で価格は3万4,980円です。日本の製品なのでアフターケアも安心ですしアプリも完全に日本語対応しています。本体カラーがシルバー、マットシルバー、ブラック、マットブラックとシックな色で揃えているのは日本メーカーならではかも。IP68の防水防塵対応、最大連続使用日数は6日間とのこと。

  • 日本発のスマートリング「SOXAI RING」

SOXAI RINGもRingConnと機能はほぼ同等です。独自機能として温度計を搭載しており、体温測定はできないものの皮膚表面温度の測定ができる点はRingConnより優れています。心拍数、心拍変動、血中酸素濃度、歩数、睡眠時間、睡眠の深さを計測可能で、そこから体調スコア、運動スコア、アクティビティレベル、消費カロリー、睡眠スコアを算出してくれます。

  • アプリが日本語化されているのは日本人にとって使いやすい

さてスマートリングは他にも数社から販売されており、中でもOuraは3世代目となる「Oura Ring Gen3」を販売しています。業界の先駆者でもあり年々改良を加えた製品は使い勝手も高く利用者も多くいるといいます。しかし本体価格299ドル(約3万9,000円)に加え、健康データ管理などにかかる費用として毎月5.99ドル(約800円)がかかるサブスク方式の販売です。他のメーカーの製品は基本料金無しで使えるだけに、どのように差別化していくかが気になるところです。

  • スマートリング老舗の最新モデル「Oura Ring Gen3」

自宅で過ごす時間が増えたことで、自分の健康状態や運動不足を気にする人も増えているでしょう。スマートウォッチを健康管理用に買うのもいいですが、これからはスマートリングも選択肢に入れてる時代がやってきそうです。