画面を折り曲げることのできるスマートフォンも年々種類が増えています。日本人にもなじみのあるメーカー、モトローラは世界で初めて縦に折り曲げられるスマートフォン「razr」を2019年に発売しました。2020年には後継機も登場しましたが、2021年は新製品の発売は無し。もしかしてモトローラは折りたたみモデルを止めてしまったと思いきや、2022年8月に「razr 2022」を発表。今までの製品より大きくパワーアップしたrazr 2022の実機を触ってみました。
razr 2022は折りたたむとほぼ正方形スタイルになります。上蓋にはカバーディスプレイとデュアルカメラが内蔵されています。チップセットはパワフルなSnapdragon 8+ Gen 1を搭載しているハイスペックモデルなのできびきびした動作が期待できます。価格は中国で5,999元、約11万9,000円からとなっています。
背面にはモトローラの「M」のロゴが入っています。つやを抑えつつ表面はガラス仕上げなので落ち着きと高級感を備えた上品な仕上がりです。表側は若干指紋の跡がついてしまうのですが、背面側には跡は残りません。
側面から見ると、すき間無く閉じられる構造になっていることがわかります。これはディスプレイを曲げたときに、ヒンジにあたる部分をヒンジ内部に逃がすことに実現する「しずく型」と呼ばれる構造を採用したことで実現しています。
そしてヒンジ部分にはモトローラの名前も刻印されています。過去のモデル(razr 2019、razr 5G)では無かったもので、モトローラファンの方にはうれしい仕上げと言えます。
さて折りたたんだ状態ではカバーディスプレイに様々な表示を行うことができます。カバーディスプレイのサイズは2.7インチ、800x573ピクセル。スマートウォッチのように普段はアナログ時計の表示も可能で、いくつかのウォッチフェイスが内蔵されています。
またカバーディスプレイ上でアプリを使うことも可能です。閉じた状態でも電話を受けたりかけたり、定型文の送信をするなど、ちょっとした操作なら本体を開く必要はありません。
さらにカメラを使うこともできます。razr 2022のメインカメラは5,000万画素+1,300万画素の超広角。フロントカメラは3,200万画素です。閉じたまま高画質なメインカメラを使い、しかもカバーディスプレイでプレビューを見ながら自分撮りもできるわけです。
さて本体を開くと6.7インチ2,400x1,080ピクセルのディスプレイが現れます。開いてしまえばその外観や操作性は普通のスマートフォンと変わりません。縦折り式はこの形状がメリットで、大型化が進む最近のスマートフォンを普段はたたんでコンパクトな大きさで持ち運ぶことができるわけです。
本体サイズは167x79.8x7.6mm、重さは200g。薄いのでこのまま閉じずに持ち歩いてもよさそうです。
ところで折りたたみスマートフォンは曲げられるディスプレイを採用しています。razr 2022も「P-OLED」と呼ばれる、基盤にガラスではなくプラスチックを使った素材が使われています。しかしそのままでは傷がつきやすいため表面は超薄型のガラスで覆っています。ディスプレイの表面を触ってみると、一般的なスマートフォンほどの硬さは無いものの、表面を押して跡が付くことはありませんでした。またヒンジ部分もしわや筋が見えにくくなっています。
カメラは前述したように5,000万画素と1,300万画素の2つを搭載しています。前モデルまではカメラは1つだけで、折りたたみ型とはいえ高価なモデルとしてはやや不満の残るところでした。一方でデュアルカメラを搭載し、また閉じると上側と下側が同じ長さになっていることからか、本体の側面に指を入れて片手で開ける、という操作はかなり困難になっています。本体を開くときは両手を使ったほうが楽に行えます。
カメラは一般的なスマートフォン同様に写真モードでは倍率切替が表示されますが、0.5倍と1倍の横にマクロ切り替えが表示されているのが使いやすいと感じました。
また動画は最大で8Kにも対応。編集を考えると現実的には4Kを使うことになるでしょうが、ハイスペックスマートフォンにふさわしいカメラ性能を搭載していることをアピールしているわけです。razr 2022は折りたたみスタイルが特徴ですが、ハイエンドスマートフォンとしても十分な性能を有しています。過去のモデルは日本でも発売されており、razr 2022も日本投入はあるかもしれません。