Inmo社が開発したスマートグラス「INMO Air」が5月10日から日本のクラウドファンディングでも予約販売を開始しました。スマートグラスには様々な製品がありますが、INMO Airは眼鏡のレンズにスマートフォン等の画面を投影できるだけではなく、通知を受けて表示したり内蔵カメラも搭載するという欲張りな製品。実用性も高く、1台あれば日々の生活が楽しくなりそうです。

  • 海外でも話題のINMO Airが日本に上陸する

INMO Airはワイヤレスタイプのスマートグラスなので、スマートフォンと接続する際にケーブルは不要です。バッテリーを内蔵しており連続使用時間は最大4.5時間、待ち受けは25時間とのこと。1日中INMO Airをかけて、移動中や休憩中にコンテンツを見つつ通知などを適時表示する、という使い方に向いているでしょう。

  • かけるだけで通知を受けたりコンテンツを楽しめる

INMO Airの重さは79gと軽量です。めがね部分には右目側の上半分を覆う透明のディスプレイが取り付けられており、ここにコンテンツが表示されます。レンズは標準でサングラスですが、度付きレンズなどに交換することも可能です。レンズ全体ではなく半分の部分を使うため、急に通知が表示されても視界がいきなり遮られることがありません。

  • 通知を受けるイメージ。視界の右上に表示される

スマートフォンをワイヤレスで接続して画面をミラーリング投影すると、INMO Airをかけたまま映画などを見ることもできます。これも通知同様、右側上半分に表示されます。投影サイズは50インチ程度とかなり大きく、十分実用的でしょう。スマートフォンを手に持たなくとも映画を見られるというのは新しい体験になりそうです。

  • スマートフォンの画面をミラーリングすれば映画を見ることもできる

普段から便利な機能になりそうなのがナビゲーションの表示です。目的地を設定しナビゲーション表示にすると、道順を表示してくれます。サイクリングの時にスマートフォンをハンドルに固定する必要もありませんし、歩きながらでもスマートフォンの画面を見ながら移動する必要はありません。目的地に向かうとき、最寄駅を降りたらあとはINMO Airの表示通りに歩けばいいのです。この機能はぜひ使ってみたいもの。

  • ナビゲーション機能を使えば地図をスマホで開く必要もない

INMO Airをスマートフォンとペアリングすれば、あとは通知が来れば自動的にレンズに投影してくれます。また本体のツル部分のタッチ操作かスマートフォンアプリからメニューを呼び出し、電話、音楽、カメラ、その他のアプリを利用できます。アプリはナビゲーションのほかに翻訳なども提供されるようで、様々な用途に使うことができそう。そもそもINMO AirはAndroid OSで動くデバイスなので、アプリの開発も容易です。見た目は眼鏡ですが、スマートフォンやスマートウォッチと同じようなデバイスというわけです。

  • ツルの部分にタッチセンサーを内蔵している

スマートグラスといえば2013年にGoogleが「Google Glass」を発表し、スマートフォンに代わるデバイスになると期待されました。しかしめがねのサイズの端末でスマートフォンと同じ操作をすることは難しく、高価だったこともあり普及はしませんでした。そもそもGoogle Glassはアイディア先行で登場した製品でもあり、キラーアプリケーションも無かったのです。なおGoogle Glassはエンタープライズ向けの製品となり、現在は日本でも新しいモデル「Glass Enterprise Edition 2」が販売されています。

INMO Airも高機能ですが通知、ナビゲーション、ミラーリングなど用途を明確にすることで、購入者が利用シーンをイメージしやすくなっています。Google Glassは「何かできそうな近未来のデバイス」という期待感を持たせてくれるデバイスでしたが、INMO Airは今すぐ日常生活の中で使いたくなる実用品なのです。

  • INMO Airは「何でもできる」ではなく用途を明確にした

なかなか気になる製品ですが、価格が気になるところです。日本のクラウドファンディング「Makuake」によると一般販売予定価格は10万4,800円。クラウドファンディングでは限定数の超早期割引は完売しつつありますが、数量限定の無い早割は8万2,790円となっています。気になる人は確認してみてください。

スマートグラスはめがねなので顔にかける必要がありますが、腕に装着するスマートウォッチと比べると情報をすぐ目で見られる上に、視線の先にコンテンツを重ねて表示することもできます。内蔵カメラも視線に合わせて被写体を撮影できるので、プライベート用途だけではなく現場の状況を撮影するといった、ビジネス用途にも使うことができます。スマートウォッチにカメラ搭載の製品が少ないのはカメラの使い勝手が悪いからでしょう。なんとなく遠い未来の存在であったスマートグラスですが、INMO Airの登場で利用する人はかなり増えるのではないでしょうか。

  • 内蔵カメラで視線に合わせ写真撮影できるのもINMO Airの魅力だ