2022年3月10日に「Redmi Note 11」が日本で発売になりました。Snapdragon 680を採用したミドルレンジクラスの製品で、6.43型ディスプレイを搭載。メインカメラは5000万画素と悪くなく、800万画素の超広角、200万画素のマクロ、200万画素の深度測定も含めた4カメラの構成、5000mAhバッテリーは33W充電対応で市場想定価格は2万4,800円とコスパに優れた製品です。
ここまで安いと、もはやスマートフォンは1年おき、いや、半年おきに買い替えてもいいと思える価格かもしれません。シャオミはハイエンドのモデルも他社と比べると比較的安価ですが、低価格モデルでは圧倒的な強さを誇っています。しかし低価格スマートフォンも数を売らなくては利益がでません。そこでシャオミは1つのプラットフォームで複数のモデル展開をすることで、パーツを共通化しコストを引き下げているのです。
たとえばRedmi Note 11は日本でグローバルモデルと同じ製品が投入されます。そのため残念ながらおサイフ機能は搭載されていません。しかしこれだけでもかなり価格を抑えることができているわけです。
一方、海外ではカメラを高性能にした「Redmi Note 11S」も販売されます。こちらはRedmi Note 11のカメラを1億800万画素に強化した製品です。その分チップセットをメディアテックの「Helio G95」としてコストアップを抑えています。海外ではRedmi Note 11は179ドル(約2万1,000円)、Redmi Note 11Sは249ドル(約2万9,000円)。カメラにこだわらなければRedmi Note 11を、高性能カメラが欲しければRedmi Note 11Sをと、2つのモデルを出して選択肢を与えるとともに、共通プラットフォームの製品を増やして全体的なコストを下げているわけです。
日本では高性能なカメラも好まれますが、低価格モデルでシェアを奪おうとRedmi Note 11のみの販売になったようです。しかし、もしも「ちょっと高くても高性能なカメラが欲しい」という声が大きくなれば、いつでもRedmi Note 11Sを日本市場に投入することができるでしょう。ここがシャオミの強さでもあります。
比較的低価格なRedmiシリーズでも1億800万画素の高性能カメラを搭載できるのは、前述の共通プラットフォームを採用し、同じカメラ構成のモデルを別に用意しているからです。Redmi Note 11シリーズは海外ではさらに2つのモデルが販売されています。
「Redmi Note 11 Pro」はRedmi Note 11Sと全く同じカメラを搭載します。すなわち1億800万画素+800万画素+200万画素+200万画素の4つです。一方で画面サイズは6.67インチに大型化されています。本体サイズも若干大きくなっているのですが、バッテリーはRedmi Note 11、Redmi Note 11Sと同じ5000mAhを搭載。あえて大きくしないのはこれもパーツの共通化によるコスト削減が目的でしょう。ただしRedmi Note 11と11Sが33Wの高速充電に対応していたのに対し、Redmi Note 11 Proは66Wと倍の速さ。またフロントカメラはRedmi Note 11 / 11Sの1300万画素に対し、1600万画素と強化されています。価格は299ドル(約3万5,000円)です。
そして、もう1モデル発売されています。「Redmi Note 11 Pro 5G」は、その名の通り5Gに対応したモデル。Redmi Note 11 Proのチップセット(Helio G95)を、5Gに対応したクアルコムのSnapdragon 695 5Gにしています。いまや各国で5Gが始まっていますから、5Gモデルをラインナップに加えることは必須でしょう。とはいえ5Gのチップセットは価格が高いことからか、価格を抑えるためにカメラは200万画素の深度測定を除いたトリプルカメラになっています。価格は299ドル(約3万9,000円)です。
このように4つのモデルでボディやパーツを共通化することで、シャオミはコスパに優れた製品を次々と出すことができるというわけです。4機種をここで簡単に比べてみましょう。
機種名 | チップセット | ディスプレイサイズ | メインカメラ | フロントカメラ | 充電性能 | 価格 |
Redmi Note 11 | Snapdragon 680 | 6.43インチ | 5000万画素4カメラ | 1300万画素フロントカメラ | 33W充電 | 179ドル |
Redmi Note 11S | Helio G95 | 6.43インチ | 1億800万画素4カメラ | 1300万画素フロントカメラ | 33W充電 | 249ドル |
Redmi Note 11 Pro | Helio G95 | 6.67インチ | 1億800万画素4カメラ | 1600万画素フロントカメラ | 66W充電 | 299ドル |
Redmi Note 11 Pro 5G | Snapdragon 695 5G | 6.67インチ | 1億800万画素3カメラ | 1600万画素フロントカメラ | 66W充電 | 329ドル |
コストを下げるため共通化を進めるとともに、シリーズで4モデルを出すことで、国ごとに市場が求める端末をうまく投入もできます。シャオミのこの複数モデル展開は功を奏しており、これからもコスパに優れた製品を次々と出してくれることでしょう。海外で行われるシャオミの発表会で複数のラインナップが登場したとき、次にどのモデルが日本で出てくるかを予想するのも面白いかもしれません。