Apple Watchを日々お財布代わりに使っている人も多いでしょう。一方、数千円で買える安価なスマートウォッチやスマートバンドは支払い機能はないものの、日々の運動データを自動的に記録してくれる便利なアイテムです。1日の歩いた歩数を記録できるだけでも健康管理に役立ちますし、睡眠状態の記録は生活習慣の改善にもつながります。また心拍数や血中酸素濃度の測定も最近の製品では一般的です。
とはいえスマートウォッチやバンドは腕にはめておかなくてはなりません。スマートフォンの普及によって腕時計をしなくなった人も増えていますが、運動データをとるために再び腕に何かをはめるのは煩わしいでしょう。そこでお勧めな製品が指輪型のデバイス、スマートリングです。
Circularが今年の初夏に出荷予定のスマートリング「Circular Ring」はちょっと太目の指輪の形をしていますが、内部には動作センサーが装備されており、さらに内側には生体センサーを搭載。指にはめているだけで身体の動きや心拍数等を測定してくれるのです。もちろんバッテリーも内蔵しており、通常利用で2日間使用が可能とのこと。
指輪型のメリットはとにかく装着時に邪魔にならないことでしょう。特に夏などは腕にバンドをはめていると汗をかいてしまい気になることもありますし、スポーツ中は外しておきたくなるかもしれません。あるいは自分のファッションとスマートウォッチのベルトの柄が合わない、なんて時もあるでしょう。スーツとスポーツウェア、どちらにもあうベルトというのはなかなかないものです。Circular Ringは指輪ですので邪魔にもならず、服装を選びません。
Circular Ringはわずか数センチ径のスマートリングですが、機能は意外にも豊富です。歩数などの運動量記録と消費カロリー計算、睡眠時間計測、心拍数計測、安静時心拍数計測、血中酸素濃度計測、体温計測、呼吸数計測など。この小さいリングにこれだけの機能が搭載されているとは驚きですが、センサーの小型化や省電力化の進化がこのような製品の実用性を高めているのです。
また本体内の動作センサーを使い、Circular Ringをはめた指先を動かすことでスマートフォンのアプリの起動などもできるそうです。さらに小型のバイブレーターも内蔵し、スマートフォンに通知が来ると振動で知らせてくれます。ここまで多機能となると本当に製品として出てくるのか、ちょっと心配にもなってしまいますが、Circular Ringがクラウドファンディングで資金調達を行ったのはすでに1年前。それから十分な開発期間もあり、今年の夏に実機が出てくることは期待できそうです。
ところでこれだけ小さい指輪なので、充電は端子ではなく専用クレードルを使って行います。スタンド式の充電台にCircular Ringを取り付け、USBケーブルを使い60分で満充電できるとのこと。また旅行の時などに便利なように、キーホルダーのついた持ち運びできる充電台も別売されます。
本体カラーはシルバー、ブラック、ローズゴールド、ゴールドの4色。実は本体部分は1色で、別途4色の外側にかぶせるリング状のカバー「Outer Shell」をはめ込んで色を変えています。購入後に別の色にしたり、その日の気分に応じて色を変えることもできるわけです。
Circular Ringの価格は264ドル(約3万500円)。Outer Shellは35ドル(約4,000円)。また持ち運びできるクレードルは29ドル(約3,400円)です。活動量計として考えるとやや割高ですが、装着していることを忘れてしまうくらい小さいボディーに機能を詰め込んでいることを考えると、価格は妥当といったところでしょうか。
指輪型のスマートデバイスはまだ参入メーカーは多くありません。この分野の先駆者であるOuraの「Oura Ring」は2017年に登場し、2021年に第3世代目の製品が出たところです。Oura Ringも世代ごとに機能が強化されており、スマートリングは今後さらに性能が高まっていくでしょう。いずれはダイヤモンドをあしらった高級品や1万円を切る普及モデルが登場し、スマートリングは誰もが指にはめる製品になっているかもしれません。