スマートフォンで動画を見る時間が以前より増えた人は多いでしょう。5G回線が使えれば動画のストリーミング配信も高画質な映像で見られます。しかし、より高負荷なスマートフォンの使い方をすると、内蔵バッテリーの容量もあっという間に減っていきます。今では外出時にモバイルバッテリーも持ち運ぶのは必須ですね。
ところが、そんなバッテリーの持ち時間を解決するようなスマートフォンが海外で出てきました。Oulitelが発売した「WP15」はアウトドア利用を考えたタフなボディーの5Gスマートフォン。しかし最大の特徴は内蔵バッテリーの容量。なんと15,600mAhもあります。
このWP15の15,600mAhという容量はどれくらい大きいのでしょうか? たとえばiPhone 13 Proのバッテリー容量は3,095mAh(非公式情報)。W15はiPhone 13 Proの約5倍の容量があるのです。すなわち一度の充電で使える時間も5倍程度になるということになります。
たとえばiPhoneの充電を毎日行っている人がいるとしたら、このWP15なら5倍のバッテリー容量があるので5日おきに充電すればいいことになります。実際にはそこまでは持たないかもしれませんが、それでも3日は余裕、4日目になって「そろそろ充電しようかな」というレベルでしょう。そしてこれだけバッテリーが持てばモバイルバッテリーを携行する必要もなくなります。
ただしWP15はアウトドア仕様のスマートフォンでもあるため、写真を見ればわかるようにサイズはかなり大き目です。178.2x86.2x23.8mm、485gとかなりのヘビー級。iPhone 13 Proの厚さ7.7mmの約3倍、204gの約2.4倍の重さです。
とはいえWP15はIP68、IP69K,、MIL-STD-810Gというハードなタフ性能を搭載。1.5メートルの水中で30分使うこともできます。また1.5メートルの高さから落下させても動作に問題はないとのこと。スマートフォンにアウトドアウェアをそのままかぶせたような、そんな外観と性能を有しているわけです。
このようにWP15はちょっと特殊、ニッチな製品ともいえるわけです。そのためWP15をメインのスマートフォンにするのは、たとえば重さを考えるとちょっと悩ましいところかもしれません。でも普段から長期の休みの時に登山やハイキングをしたり、川に魚釣りに行く、なんて人ならフィールド活用用途に2台目として買うのもいいかもしれません。ちなみにWP15の価格は同社の直販で429.99ドル、約4万7,000円です。
しかもWP15にはこれだけの大容量バッテリーをフル活用できる機能も搭載されています。それはリバース充電。これはWP15のUSB Type-C端子から、OTGケーブルを使って他のスマートフォンを充電できる機能です。WP15を買って、普段は使わず週末や休暇の時だけ使うというのはもったいないですよね。WP15を普段から持ち運べば15,600mAhのモバイルバッテリーとして使えるわけです。理論上はiPhone 13 Proを5回充電できますが、現実的にはバッテリー容量が減るとリバース充電は使えません。それでも4回は充電できそうです。
ちなみに市販されている大容量のモバイルバッテリーを見てみると、Ankerの19,200mAhバッテリー「PowerCore III 19200 60W」が約422gです。さらにWP15は5G対応なのでギガビットの高速通信も可能。ということでWP15を巨大なモバイルバッテリー、かつ、5Gのモバイルルーターとしてカバンに入れておくなんて使い方もありかもしれません。
なおWP15の法的認証を確認すると、日本の技適を取得していました。もしかすると今後日本で直接販売されるかもしれません。
最近のスマートフォンの中にはこのリバース充電機能を持ったものが増えています。しかしタフなスマートフォンを多数発売しているOukitelは、自社製品の大半が5,000mAh以上の大容量バッテリーを内蔵するモデルばかり。リバース充電の写真例に出したWP9は199.99ドル、2万円ちょっとの低価格な4Gモデルながらも8,000mAhのバッテリーを内蔵しています。タフ仕様なスマートフォンは複数のメーカーが類似した製品を展開していますが、Oukitelは大容量バッテリーで他社との差別化を図ろうとしているわけです。
タフ仕様なスマートフォンは日本ではあまり売られていません。OukitelにはぜひWP15を日本で正規販売してほしいものです。