OPPOがグローバルで販売している主力モデル「Reno」シリーズの最新機種「Reno6 Pro+ 5G」に日本の漫画・アニメとして有名な『名探偵コナン』とのコラボモデル「Reno6 Pro+ 5G名探偵コナン限定版」が登場しました。販売は中国国内のみですが、コナンファンが泣いて喜ぶような本格的な作りが特徴です。

  • OPPOから出てきた名探偵コナンスマホ

「Reno6 Pro+ 5G名探偵コナン限定版」のパッケージは一般的な直方体の紙箱ではありません。舞台の中心でもある「毛利小五郎探偵事務所」の中に本体が入っているのです。一階にある喫茶ポアロや、二階事務所の窓際にあるエアコン2台など事務所の建物を忠実に再現したプラスチック製の建物、これがパッケージになります。スマートフォンのパッケージとしてはもしかすると史上最大クラスかもしれません。

  • スマホと比べるとこんなに大きい探偵事務所が付属する

付属のアクセサリも名探偵の世界観を表す凝ったものが付属。OPPOは過去にエヴァンゲリオンやガンダムとコラボしたスマートフォンも発売しており、おそらく社内には日本のアニメに造詣が深いスタッフがいるのでしょう。この手のコラボ製品はちょっとした手抜きをするとマニア層にはわかってしまい「所詮金儲けのコラボか」とネガティブな印象を与えてしまいます。しかし「わかっている」スタッフが開発に関与していれば、ライトなファンが喜ぶだけではなくコアなマニアもしっかり支持してくれるでしょう。

  • 付属のアクセサリも本気のものばかりだ

スマートフォンにストラップをつける人もいると思いますが、このコナンスマートフォンにもストラップが付属します。これは名探偵コナンに登場するヒロイン、毛利蘭がケータイに付けていた「なまこ男」ストラップを再現したもの。このあたりはしっかりと原作を知っていなければアクセサリを作ろうとは気が付かないでしょう。またSIMカードを取り出すSIMピンは、所運転探偵団が所有している超小型トランシーバー「DBバッジ」のカタチを模しています。アンテナ部分をピンにするなんて、これまたコナンを知らなければ作れないアクセサリでしょう。

  • DBバッジ型のSIMピン(中下)や毛利蘭のなまこ男ストラップ(右)も付属

さてここまでなら他のメーカーでもやろうと思えばやれることかもしれません。しかしReno6 Pro+ 5G名探偵コナン限定版は他のスマートフォンにはない隠された機能が搭載されているのです。それは背面の色が変わる機能。Reno6 Pro+ 5G名探偵コナン限定版の背面は特殊な構造になっており、単色ながら色を変えることができるのです。

名探偵コナンの決めセリフといえば「真実はいつもひとつ」。中国ではこれを「真相永遠只有一个」と訳します。OPPOのスマートフォンは独自の音声AIアシスタント「Breeno」を搭載しており、電源ボタン長押しで呼び出すことができます。Reno6 Pro+ 5G名探偵コナン限定版の電源ボタンを押してBreenoを呼び出し「真相永遠只有一个」と語りかけると、背面のキャラクターの色がピンクからシルバーへ(またはその逆)変色するのです。

  • 背面の色がピンクからシルバーに変わる

この技術はOPPOが2020年12月に発売した「Reno5 Pro+ Artist限定版」に最初に搭載されました。背面のガラスの下に金属酸化物層を配置したエレクトロクロミックガラスパネルにより、背面の色を変えることができたのです。なおReno5 Pro+ Artist限定版の背面職の変更方法は背面を指先で二回ダブルタップする方法でした。それはそれで面白い効果でしたが、Reno6 Pro+ 5G名探偵コナン限定版は色変更の際に決め台詞を語らせるという、さらに凝った仕上げにしているわけです。

  • 世界初の背面パネル変色スマホ「Reno5 Pro+ Artist限定版」

背面の色が変わるスマートフォンは、OPPOの前にはOnePlusやVivoがコンセプトモデルを発表していました。しかしどちらのメーカーもまだ製品への搭載は行っていません。背面色が変わる技術もその実用的な応用例が無いと製品化はしにくいのでしょう。OPPOは背面のデザインに変化をもたらすことに意味のある製品にこの技術を応用したわけです。

  • OnePlus 8Tの背面色が変わるコンセプトモデル

それではスマートフォンの背面色を変えるメリットや必要性は他には何かあるのでしょうか? スマートフォンの外観を変化させるという点では、背面が派手に光るゲーミングスマートフォンへの応用展開は十分考えられます。実際にZTE関連企業のNubiaのゲーミングスマートフォン「RedMagic」の次期モデルは背面の色を変更する機能が搭載されると噂されています。

  • ゲーミングスマートフォンなら背面色変更機能の搭載はあってもおかしくない

あるいは一般的な用途として、SNSの通知があったときだけ背面の色が変わる、という機能も実用的かもしれませんね。背面全体ではなく、たとえばカメラの右横に色の変わるパネルを搭載してメッセージやタイムラインの変更があったら変色して通知するという機能は実用性があるでしょう。

背面色変更スマートフォンとしては、過去にアルカテルがLEDライトを内蔵したバックパネルを装着可能な「A5 LED」を製品化したことがあります。音楽再生や通話着信、SNS通知などで色を変えられる楽しいスマートフォンでした。しかし残念ながら他のメーカーが類似の製品を出すことは無く、この「変色スマホ」は1機種だけで終わってしまいました。

  • アルカテルの「A5 LED」は背面にLEDライトバックカバーを装着できた

OPPOは引き続きコラボモデルを展開するでしょうから、積極的にこの技術を採用していくことでしょう。他のメーカーがOPPOに追従するのか、追従するとしたらどのような応用展開を見せてくれるのか、楽しみなところです。

  • OPPOのこれからの「本気のコラボ」にも期待