世界で最も勢いのあるスマートフォンメーカーとも呼ばれるrealme(リアルミー)が新しい技術を発表しました。AppleがiPhone 12シリーズで採用した、本体背面にマグネットで充電器やアクセサリを貼り付けできる「MagSafe」とよく似た技術です。realmeの「MagDart」はMagSafe同様に様々なアクセサリが用意されます。しかしAppleにただ追随しただけではありません。
realmeは2018年から市場参入した新しいメーカーです。OPPOのサブブランドから独立したこともあり、OPPOとよく似た技術展開も行っています。その1つが高速充電技術。OPPOは「VOOC」と呼ぶ高速充電を自社のハイエンドスマートフォンに搭載していますが、realmeは「Dart Charging」という高速充電を開発しています。Dart Chargingの高速充電は現在「realme GT」の65Wの出力で最大速度、35分で満充電が可能という激速技術です。なお製品化はされていませんが125Wでの高速充電も実現しています。
MagDart対応のアクセサリにもDart Charging技術を採用したものが登場します。「50W MagDart Charger」は背面貼り付けのワイヤレス充電器ながら、50Wでの高速充電を可能にします。ちなみにAppleのMagSafeの充電器は15Wですから、その3倍以上の出力での高速充電が可能。realmeによると4,500mAhのバッテリーをわずか54分で満充電できるとのこと。
高速充電時は充電部分の発熱が心配になりますが、50W MagDart Chargerは内部に空冷用のファンを内蔵しています。つまり空気を当てて強制的に冷却してくれるのです。サイズはやや大きくなるものの、モバイルゲームをするときなどは横向きに取り付ければ邪魔にならず、しかも長時間プレイしていてもバッテリーが切れることはありません。
またiPhoneのMagSafe充電器とよく似た薄型の充電器「15W MagDart Charger」も登場します。外観はよく似ていますが、充電器の厚さはMagSafe充電器より薄い3.9mmで、クレジットカード3枚分の厚さといいます。USBケーブルの端子側に充電回路を内蔵し、マグネット部分と回路を分離したことで薄さを実現できたとのこと。realmeならではの工夫がみられます。
さてMagDartで、もっとも楽しそうなアクセサリが「MagDart Beauty Light」です。スマートフォンの上部からかぶせるケース型のアクセサリですが、背面には折りたたみ式のLEDライトを搭載。またスマートフォンのMagDartからリバース給電(逆給電)を受けるパッドを中央に配置してます。
MagDart Beauty Lightをスマートフォン本体にかぶせ、LEDライトを引き上げるとフロントカメラでセルフィーをするときに自分を照らしてくれるライトになるというわけです。
このほかにはAppleの「MagSafeバッテリーパック」と同じタイプのモバイルバッテリー「MagDart Power Bank」も発売予定。MagSafeバッテリーパックはLightning端子の充電台に差し込み、その状態でiPhone 12を置いて充電ができます。MagDart Power Bankも純正品としてスタンドが提供される予定です。
カードを3枚入れることのできる「MagDart Wallet」はアルミ製のスタンドが内蔵されており、机の上に置いて動画を見るときなど立てかけて使うことができます。こうしてみるとどのMagDartアクセサリもMagSafeのアイディアを少しずつ改良していることがわかります。
今後もMagDart対応のアクセサリはサードパーティー製を含め様々なものが出てくるでしょう。それではrealmeのスマートフォンは今後すべてがMagDartに対応するのでしょうか? Appleはわずか4機種という少ないモデル数でグローバル市場をカバーしています。それに対してrealmeは1万円台の格安端末も出すなど、年間に投入する製品数は10機種以上もあります。特に低コストモデルにMagDartを搭載するのは端末単価を上げてしまいます。
そこでrealmeは既存のスマートフォンに取り付けることでMagDartに対応するケース「MagDart Case」も提供します。このケースを装着すればMagDart非対応のスマートフォンも、MagDartを利用できるようになるわけです。現在はrealme GT用のものしかアナウンスされていませんが、今後は他のモデルのものも登場するでしょう。
さて気になるのはMagSafeとMagDartの互換性です。充電関連の製品は規格の違いなどがあるため相互利用は難しいでしょうが、MagDart Walletのようなものであれば、マグネットの位置が合えば互換性はあるのかもしれません。また今後どのようなアクセサリが出てくるのか気になるところです。