最近のスマートフォンは耐水機能は当たり前で、お風呂に入りながら動画を見る、なんて人も多いでしょう。しかしスキューバダイビングなど本格的な水中活動にはスマートフォンの耐水機能も役に立ちません。そこで様々なスマートフォン用の防水ケースが販売されていますが、この防水ケースの市場も競争が厳しくなっています。水深50メートル以上でも使えるという防水ケース、いや、潜水ケースが次々と出てきています。もちろんここまで極端に先鋭的な製品を作っているのは中国メーカーです。
「CREE XPG2 Smart Housing」という製品は水深60メートルまで使える防水ケースです。対応スマートフォンはApple、ファーウェイ、シャオミ、OPPOなど多数に亘る汎用設計。本体には大きいレンズがついているように見えますが、これは付属の広角レンズ。このレンズを取り付ける部分が大きな透明の窓になっているので、どのメーカーのスマートフォンでもカメラ部分を覆うことなくケースの中に入れることができるわけです。また広角レンズの位置も付属の治具位置を調整することで入れたスマートフォンのカメラの位置に合わせることができます。
背面はディスプレイが見えるように透明になっていますが、タッチ操作はできません。左上にある大きなつまみはLEDライトの光量調整。その下には動画静止画切り替えボタンなどがあります。またシャッターは左上部についたレバーで操作。ケースとスマートフォンはBluetoothで接続されるので、シャッターボタンで撮影できるというわけです。なお本体にはバッテリーが内蔵されています。
正面側のLEDライトでちょっと深い水の中でも被写体を照らすことができるようです。とはいえ遠い距離を照らすほどではないようです。岩場に張り付いたサンゴを撮影するといった用途に向いているのかもしれません。
かなり本格的に使えるケースですが、価格は中国で2,000元前後、約3万4,000円程度と結構なお値段です。スキューバダイビングをする人はさておき、そこまで本格的な水中撮影はしない、けど海辺で魚などを撮るためスマートフォンを水の中に入れたいなどの用途に向いた安い製品も販売されています。「CP-09 Pro」は中国で400元前後、約6,000円で販売されています。それでいながらも60メートル防水に対応と、CREE XPG2 Smart Housingと水中利用の性能は変わりません。
CP-09 Proも汎用設計で、背面にはやはり大きな透明窓が開いています。広角レンズが付属するのもCREE XPG2 Smart Housingと同じですね。LEDライトが無いのが大きな違いですが、ライトの有無で価格が5倍以上違うなら、CP-09 Proのほうがお買い得感があります。
内部には吸盤があり、入れたスマートフォンをこれで固定するようになっています。対応ということになっているスマートフォンの専用ケースではないため、スマートフォンを入れただけでは固定できず内部で動いてしまうからです。
ケース前面にある赤いキャップは付属の手動式のポンプを接続するためのもの。水深60メートルともなると、ケース内に残った空気がケース内部の圧力を高めてしまい、ケースの防水性能を損ねてしまいます。そこでスマートフォンを装着してケースの蓋を閉じたら、付属のポンプで内部を(ほぼ)真空にしてから水中撮影に挑むというわけです。なかなか本格的ですね。
CP-09 Proはシャッターボタン部分が十字方向キーにもなっており、内部に入れたスマートフォンの画面にマウスカーソルを表示して、カメラアプリの起動やカメラモードの変更などもできるようです。CP-09もBluetooth内蔵でスマートフォンと無線接続して使います。制御機能を利用するために電源を供給する必要がありますが、こちらは単4形電池2本で給電を行います。
中国メーカーの防水ケースということで、見た目だけは派手で、機能はそこそこな製品と思ったのですが、防水性能は高く操作性も悪くなさそうです。国内旅行も自由にしにくい状況が続いていますが、海や川が家の近所にある人ならこの手のケースを買って自撮り棒を接続、スマートフォンだけを水中に沈めて水中撮影をする、というのも楽しいかもしれませんね。子供の夏休みの研究にも使えそうです。