リモートワークが当たり前となった今、ノートPCにUSBカメラをつけてビデオ会議することも日常的になりました。しかしビデオ会議に参加するならPCではなくスマートフォンでも十分対応できます。特にスマートフォンのフロントカメラはPC用のUSBカメラより高画質なので、ビデオ会議に参加しても自分の顔を鮮明に写せます。
とはいえ室内の明かりが暗ければスマートフォンのフロントカメラを使っても顔色が悪くなりがちです。そこで使ってみたいのがLEDのリングライトを内蔵したスマートフォンケース。クリップライトなどが市販されていますが、いざって時に見つからなかったり、紛失してしまうこともあるかもしれません。でもケースなら常につけておけるので失くす心配は不要です。
リングライト内蔵ケースはファーウェイが2020年秋に発売した「Mate 40 Pro」向けに純正品として登場しました。ライトは普段は背面に収納され、ボタンを押すと90度立ち上がりフロントライトになるのです。セルフィーにも便利なライトですが、ほかのメーカーから類似品が出てくることはありませんでした。例えばAppleはiPhone 12シリーズで背面にマグネットを埋め込んだMagSafeを採用したため、機能性を持たせたケースを出すことはないでしょう。
ところがAppleがやらねば自分たちがやるとばかりに、サードパーティーから続々とiPhone 12シリーズ用のリングライト内蔵ケースが登場してます。もちろんそれらは中国から。サイズや光量の異なる様々な製品があり、用途に応じて選べます。
iPhone 12シリーズのカメラの周りにリングライトを配置したケースは、背面を隠さないためケースをつけたままワイヤレス充電もできる優れものです。BIATOUというメーカーの製品で、中国の通販で128元(約2,200円)で販売されています。デザインもシンプルでApple Storeで売ってもよさそう。
ビデオ会議よりもセルフィーを重視するのであれば、ライトの光が丸く瞳の中に写る円形リングライトのほうがいいでしょう。以諾というメーカーのものでこちらも128元。なおどの製品もライトのロックを解除するボタンがライトのON/OFFおよび光の種類(電球色、昼白色、昼光色)切り替えボタンになっています。
リングライトでは光の量が足りない、という人には板状のライトの付いたケースもあります。ライトの数が多く板状なので、より強い光を出せるとのこと。ILOVTSの製品でこちらも128元。どうやら中国では機能性ケースの値段は高くても2,000円くらいまでが消費者の購買意欲をそそる値段のようです。
そして最後に紹介するのはすべてのライトの良いとこ取りをしたような、大型のリングライトを備えたケースです。iPhoneの上部1/3くらいの大きさの四角いリング状のライトが装着されているもので、内蔵されているライトの数も多いのでより明るく顔を照らしてくれるでしょう。airwalks製で168元(約2,900円)と若干高めです。
これらのケースは中国の通販・ECサイト「Taobao」などで多数販売されており、「月間販売量800個以上」「同400個以上」というショップもあるなど、かなり売れているようです。やはり自宅にこもることが多くなり、友人とのビデオチャットや個人でのライブストリーミングなどをiPhoneを使ってやる時間も増え、そうなると自分の顔をより明るく・美しく写したいと考える若者が増えているのでしょう。
しかしフロントカメラとリングライトをセルフィー用途だけに使うのはもったいないもの。Zoomなどを使ったビデオ会議時などのビジネス用途にもこれらのライトを使うのは有用なはずです。筆者もよくビデオ会議を行いますが、参加者の中には顔が暗くて見えにくくて表情が悪かったり、あるいは部屋のライティングが悪いせいか、顔色まで悪く見えてしまって相手の健康状態を気にしてしまう、なんてことがあります。
ビデオ会議で最も重要なのは通信回線速度であり、途切れることなく映像を送受信できることは必須です。しかしそれだけではなく自分の顔の表情がよく見え、また健康状態を心配されぬように明るい色合いで会議に参加したいもの。そのためには室内用の照明やLEDライト、あるいは今回紹介したリングライトケースなどを使うことも考えたいものです。