日本に新たなスマートフォンメーカーが上陸します。その名はrealme(リアルミー)。中国メーカーの名前は日本でだいぶ知られるようになってきましたが、realmeの名前はまだあまり知られていません。それもそのはずで、誕生したのは2018年と今から3年前。もともとはOPPOのスマートフォンブランドの1つでしたが、2019年から独立して世界各国にスマートフォンやIoT製品を展開しています。
そんなに若い会社が日本に参入するとは驚きですが、realmeはわずか数年にして世界シェア7位に入った大手メーカー。カウンターポイントの調査を見ると、2020年のスマートフォン出荷台数シェアは1位サムスン、2位Apple、そのあとはずらりと中国メーカーが並びます。3位ファーウェイ、4位シャオミ、5位OPPOまでは日本になじみのあるメーカー。6位はVivo、そして7位にrealmeが入っています。シェアは3%と低いものの、年間出荷台数は4,240万台。つい先日スマートフォン事業撤退を証明したLG(9位、2,470万台)を超えています。
realmeがどんなスマートフォンを日本に展開するのか気になりますが、今回の日本参入で販売が始まるのはスマートウォッチ、ワイヤレスヘッドホン、モバイルバッテリーという、IoT製品と周辺機器。スマートフォンの投入は発表されませんでした。ちなみにrealmeのコーポレートカラーはイエロー。製品のところどころに黄色がレイアウトされていますし、モバイルバッテリーは映える色合いの製品も発売されます。
スマートフォンメーカーなのにスマートフォンを日本ですぐに出さないのは不思議に思うかもしれませんが、realmeが生まれた2018年はどのスマートフォンメーカーもスマートウォッチやヘッドホンをすでに販売していました。それを受けてということなのでしょう、realmeはブランドとして誕生した時点からスマートフォンだけではなくIoT製品や周辺機器もそろえる総合的なITメーカーになることを目指していたようです。ライフスタイル製品も展開しており、ファッショナブルなバッグやスーツケースなども販売しています。
日本でまずは売りやすく、そして知名度を高めることのできる製品を投入しようと考えれば、スマートフォン以外から参入するのは当然かもしれません。日本では3種類のワイヤレスヘッドホンを出しますが、この分野の製品はまだまだ普及が始まったばかりで十分競争力があります。
とはいえ、基本的にはスマートフォンメーカーなのですから、日本にもスマートフォンをぜひ出してほしいものですね。realmeはすでに数多くの5Gスマートフォンも手がけており、日本などの先進国でもこれから消費者が興味を持つであろう製品ラインナップもしっかり揃っています。たとえば3月に発表したばかりの「realme GT 5G」は大手メーカーのハイエンドスマートフォンも採用するクアルコムの最上位チップセット、Snapdragon 888を搭載した5Gモデル。冷却機能も備え、しかも価格は日本円で5万円台と格安です。
一方2020年発売の「realme Q2i 5G」は史上最安値の5Gスマートフォン。中国の価格は1,000元を切る998元で、日本円では約1万7,000円。最近は2万円台の5Gスマートフォンも登場していますが、realme Q2i 5Gはさらに安いのです。安いスマートフォンと言えばシャオミの名前が浮かぶ人もいるでしょうが、realmeはシャオミよりさらに安く、しかしかっこよくファッショナブルなデザインの製品を投入して人気を集めているのです。
そして4Gモデルながら1億800万画素を搭載した「realme 8 Pro」も展開。このようにどの製品も今の日本市場に投入してもおかしくない製品と言えるでしょう。realmeの強みは毎月のように発表される新製品と、ハイエンドからエントリーモデルまで揃えた強力なラインナップなのです。
realmeは今後も数多くの製品を日本に投入する予定とのこと。スマートフォンを含むどんな製品が発売されるのか、楽しみにしたいものです。