Apple Watchをはじめとして日本市場でも様々なスマートウォッチが販売されています。その多くはスマートフォンと連携して通知を受けたり日々の運動データを記録するものとして使われています。海外に目を向けると、子供向けのスマートウォッチも数多く販売されていますが、それらはスマートフォンが無くても単体で通話できる機能を持ったものがほとんど。大人向けと子供向けではスマートウォッチに求められる機能が違うのです。
日本でも子供向けスマートウォッチはいくつか出てきましたが、普及は進んでいません。スマートウォッチを買っても結局は通信キャリアと契約をせねばなず、それも面倒なもの。毎月の基本料金が安いとしても、契約期間がいつまであるかなどを常に考えておかねばなりません。
海外でも同じようなイメージを抱く親御さんは多いようで、子供向けのスマートウォッチの存在を知っていても、購入に至らないケースが多いようです。そこでスマートウォッチメーカーのOmateは画期的な販売方法を始めました。
O6L Proはカラフルなボディーが特徴のスマートウォッチ。4G機能を内蔵しており、200万画素のカメラも搭載しています。つまり、これ単体で音声通話だけではなく、ビデオ通話もできてしまうのです。GPS機能も搭載しているので、親御さんのスマートフォンから子供のスマートウォッチの位置をリアルタイムで追跡できます。
バッテリーは2日間利用できるので、まる1日外出していても電池切れになることはありません。ディスプレイは1.3インチ240x240ピクセル、IP67の防水防塵対応で、本体側面には緊急発信がかけられるSOSボタンも備えます。
子供が毎日つけたくなるようなデザインの本体ですが、ナノブロック対応のベルトに交換すると、そこに各国で販売されているナノブロックを取り付けて遊べるようになります。自分の好きな色にしたり、お遊びでブロックで作ったものを取り付ける、なんてこともできるのです。なお本体にはあらかじめナノブロックのパーツがいくつか付属します。このアイディアは大人向けのスマートウォッチにもあるといいかもしれませんね。Apple Watchを遊び心溢れる楽しいデザインにしたい、なんて人もいるでしょう。ベルトバリエーションをどこかが出してくれないでしょうか?
このように使うことが楽しくなるO6L Proですが、最大の特徴はその販売方法にあります。4G通信で音声通話やビデオコールができるO6L Proを使うには、通信キャリアとの契約が必要なはずです。ところがO6Lはキャリアとの契約は不要です。販売価格に3年間の通信料金が含まれているのです。MVNOキャリアのSIMO社のバーチャルSIMが内蔵され、O6L Proを買って自宅で開封、電源を入れるとすぐに使い始めることができるというわけです。
O6L Proはアメリカとメキシコで販売され、、通信機能は両国のみで利用可能です。販売価格は標準モデルが239ドル(約2万6,000円)、ナノブロックベルト付きが249ドル(約2万7,000円)で、これにO6L Pro本体と3年間の通信料金がすべて含まれているのです。つまり3万円弱でスマートウォッチを買えば、あとは3年間、毎月の基本料金を気にすることなく使うことができるというわけです。
契約不要で使えるので、毎月の請求額がいくらになるか、子供が使いすぎないか、といった心配も必要ありません。3年という有効期限もO6L Pro本体の製品寿命を考えるとちょうどいい期間でしょう。3年後にさらに性能が上がったスマートウォッチが出てきたら、本体ごと買い替えればいいわけです。
3年間使い放題になるのは音声通話、ビデオ通話、メッセージ、GPSによるトラッキング機能となります。内蔵カメラで撮影した写真はメッセージ機能を使ってペアリングした親御さんのスマートフォンなどに送信できます。高度な機能は無いものの、「子供といつでも連絡が取りあえる」という、最も重要な機能を追加の通信料が不要で使えるのは安心感もあるでしょう。
O6L Pro本体は子供向けのデザインですが、大人向けのスマートウォッチでもこのような通信費込みの売り切り方製品というものが出てきてもいいかもしれませんね。Apple Watchのような高性能なスマートウォッチでは難しいかもしれませんが、通話や活動量計を搭載したベーシックなスマートウォッチを通信費込みで売れば「ボーナスが出たから買ってみるか」のように、気軽に使い始められるでしょう。
日本ではドコモなどが3,000円を切る低価格スマートフォン料金を出したことで、格安SIMと呼ばれるMVNOキャリアが苦戦を強いられようとしています。「MVNOの2年間定額SIMにスマートウォッチをつけて売る」なんてビジネスもこれからはありかもしれませんね。O6L Proの日本上陸にも期待したいものです。