外出中にちょっと気分が悪くなったときなど、今のご時世なら風邪をひいたかどうか体温を測って、すぐ調べたいでしょう。でも温度計を普段から持ち運ぶのは面倒ですよね。今回紹介する「USB温度計」は、スマートフォンに装着すると温度計になる周辺機器。この手の製品は結構あると思いきや、Amazonを探しても意外にも類似品はありませんでした。使ってみると意外と便利なこの体温計、2021年は様々なメーカーから製品が登場するかもしれません。
今回入手したUSB温度計は中国の大手TVメーカーとして知られるコンカ(Konka)が販売する「KOMI測温宝」という製品で価格は199元(3,200円)。アイスクリームのような外観がかわいらしく、親指を一回り大きくしたような小型サイズで楽に持ち運びできます。子供が自分のスマートフォンにこれを装着して毎朝自分で体温を測る、なんて気持ちにさせてくれそうです。また温度計は充電や電池は不要で、スマートフォンに直付けするだけで使えるのも便利なところです。
温度計本体の「アイスクリームの木の棒」にあたる部分はUSB Type-C端子のキャップになっています。小さいものなので失くさないように注意したいものです。最上部にはセンサーがあり、ここを対象物に向けて温度を測るようになっているわけです。温度の測定範囲は体温が摂氏32度から42度、物体測定が0度から100度。誤差は0.2度とのこと。
端子形状からわかるように、対応するスマートフォンはAndroid OSになっています。アプリ「KOMI Life」をインストールし、あとはこのKOMI測温宝をスマートフォンに装着。これでスマートフォンが温度計になるわけです。
メニューは「体温測定」と「温度測定」に分かれています。体温測定を行う場合は、おでこに2から5cmの距離に近づけ、アプリの温度計のイラストの下側にある「Start」をタップ。すると1秒程度で体温が計測されます。体温が35度以下、または37.5度以上になると温度表示が赤くなるので熱があるのも色ですぐにわかるようになっています。
また測温後は「Save」をタップすれば体温と測定日時がアプリ内に保存されます。定期的な検温を行うのにも適しているでしょう。「摂氏」と「華氏」の切り替えもできるので、アメリカ人でも違和感なく使えそうです。
温度測定に切り替えると「General」(一般)、「Water」(水・温水)、「Milk」(ミルク)の3つのモードで測温ができます。この温度測定モードでは「Start」を押すと「Stop」を押すまで常時温度を計測してくれるので、たとえば温めたミルクを入れた哺乳瓶の温度を適温に下がるまで測定し続けるということもできます。モードが3つあるのは、General < Water < Milkの順に、測定温度の精度が高くなるのだと思われます。
このようにUSB接続型の温度計は手軽に体温や身の回りのものの温度を測ることができます。海外では体温計内蔵のスマートフォンもわずかながら発売されていますが入手は容易ではありません。また国内でも販売されている「CAT S61」のような赤外線温度計内蔵スマートフォンは測定精度は高いものの、スマートフォン本体の価格は非常に高価です。日常的に体温を測り記録したい、という用途なら、スマートフォンに直付けできるUSB温度計がよさそうです。
中国の通販サイトを見ると温度計内蔵のスマートウォッチがいくつか出ており、価格も手ごろです。最近になってApple WatchがECG(心電図)測定に対応しましたが、日常的に必要な機能は体温計ではないでしょうか?スマートウォッチへの体温計搭載をぜひ各メーカーには進めてほしいものです。
さて筆者はこのUSB温度計を入手して以来、以前購入し今はほとんど使ってない「Rakuten Mini」に取り付けて毎朝検温するようにしました。このような超小型のスマートフォンならつけっぱなしにしても邪魔になりませんし、料理の時の温度測定にも使いやすそうです。体調管理が日常的になるこれからの時代、スマートフォン用USB温度計は誰もが持ち運ぶ周辺機器になるかもしれません。