iPhone 12シリーズから採用された「MagSafe」はワイヤレス充電器をピタリと所定の位置に取り付けることのできる便利な機能です。マグネットを使うことである程度の加重にも耐えられるため、Appleからはカードを収納できるレザーウォレットも発売されています。またサードパーティーからも充電関連のアクセサリが出てくる予定です。
しかしせっかく背面にケースなどを貼り付けできるのならば、もっといろいろなものを取り付けることができるかも。そんな発想から生まれたと思われる製品がクラウドファンディングで出てきました。「Snapods」はiPhone 12の背面に収納ケース部分を貼り付けられる、左右分離式のイヤホンです。Indiegogoで現在プレオーダーを行っています。
iPhoneユーザーの多くはAirPodsを使っているでしょうが、ケースに入れてポケットに入れておいたはずが見当たらなくてカバンの中を探してしまった、なんてことも多いでしょう。フックやストラップの付いたAirPodsケースを使えばカバンにぶら下げておくこともできますが、手ぶらで出かけたいときは持ち歩けません。しかしSnapodsなら常にiPhone 12の裏側に収納ケースが貼りついているため、紛失の恐れや持ち運びが面倒ということもありません。
小型とはいえ背面にイヤホンを格納させると、それなりに厚みが増してしまいそうです。しかしSnapodsは薄型設計で、ケースをつけても厚みは14.3mm。またSnapods本体は4.02gと軽量です。ケース部分に付けたまままワイヤレス充電できるので、iPhone 12とワイヤレス充電器を共用できます。Snapodsは連続5時間の利用が可能、ケースには700mAhのバッテリーが内蔵されており40時間分の充電が行えます。使わないときはケースに入れてまめに充電すれば45時間使えるわけです。
実はAirPodsの本体だけを収納できるiPhoneケースというものがサードパーティーからいくつか販売されています。また収納したAirPodsを充電もできるというケースがクラウドファンディングに登場したこともありました。しかしこれらのケースは常に背面が膨らんだ形になっています。時にはそれが邪魔になることもあるでしょう。Snapodsなら背面からはずしてしまえば邪魔にはなりません。またiPhone 12 miniからiPhone 12 Pro Maxまで、どのiPhone 12でも使えるのです。ケース型では本体を買い替えるたびにケースも買い替えなくてはなりません。
Snapodsが便利なのは、この「他の機種にも貼り付けできる」とうことです。現時点ではMagSafe対応のスマートフォンはiPhone 12しかありません。そこでSnapodsは他のスマートフォンでも使えるようにと、スマートフォンに貼り付ける金属製のアダプターを提供します。つまり他のiPhoneや、あるいはXperiaやGalaxyなどMagSafe非対応のスマートフォンでも、Snapodsを使うことができるわけです。
iPhone 12専用のイヤホンであれば、他の端末を使っている人は見向きもしないでしょうが、SnapodsはiPhone 12の最大の特徴であるMagSafeを活用しつつ、他のスマートフォンでも使えるという点が優れていると言えます。ノートPCの天板部分に貼り付ける、という使い方も十分ありですね。ステッカーを貼るだけではなく、マグネット取り付け式のアクセサリを装着するというのはノートPCの新しい使い方とも言えます。
Snapodsのクラウドファンディングのページを見ても、Galaxyシリーズに貼り付けている写真を出すなど、積極的に他機種ユーザーへのアピールもしています。
スマートフォンの背面にはこれまでケースをつけるくらいしか活用方法はありませんでした。そのケースに厚みを持たせてサイフにしたり鏡を収納する、なんて製品もありました。日本で売っている「Rakuni」は肥大化を抑えたケース本体に最小限のカードケースとコインケースにもなるグリップをつけられるアイディア製品。ケースもどんどん進化しています。
このようにスマートフォンのケースがどんどん進化していく中、iPhone 12がMagSafeを採用したことで、これからは「マグネットで取り付けできる、機能性アクセサリ」もいろいろと登場しそうです。マグネット式なら特定の機種だけではなく他の機種でも使えるというメリットがあります。Snapodsのような製品は2021年のトレンドになるかもしれません。