毎年9月に発表されていたiPhone新モデルは10月に登場するという噂です。一方サムスンからはハイスペックでペンが使える「Galaxy Note20 Ultra」や横折大画面の「Galaxy Z Fold2」などが日本でも発表になっています。この秋冬のスマートフォン選びはiPhoneだけではなくGalaxyも候補としてなかなか魅力的なラインナップが揃っているのです。

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最近のスマートフォンは高価格なハイエンドモデルと数万円で買える普及モデルに二分化が進んでいます。どうせ買うならハイエンド製品がいいと考える人も多いでしょう。そうなると選択肢はiPhone、Galaxy、そしてソニーのXperiaの名前が挙がるかと思います。しかしこれらメジャーな製品以外にも超ハイスペックなスマートフォンが日本で販売されているのです。それはゲーミングスマートフォンです。

  • 実はハイスペックなゲーミングスマホが日本でも続々と登場している

2020年9月時点で日本で販売・発表されているゲーミングスマートフォンはざっくりと以下の3モデルになります。

  • ASUS「ROG Phone 3」
  • Black Sahrk「Black Shark 3」
  • Nubia「Red Magic 5s」

3製品共にチップセットはハイエンド向けとなるクアルコムのSnapdargon 865 / 865+を搭載、カメラは6万4,000万画素、メモリは最大12GBまたは16GBとかなりの高性能。ディスプレイのスムーズな動作を表すリフレッシュレートもASUSとNubiaは144Hzと超高速で、一般的なスマートフォンの60Hzの倍以上。ゲームのみならずブラウザやSNSの画面をスクロールさせた時もカクカクしないのです。

  • 144Hz駆動は画面の表示をより滑らかにする

ゲーミングスマートフォンの最初のモデルは2017年にゲーミングPCメーカーのRazerが出した「Razer Phone」でした。高速CPUを搭載した魅力的な製品だったものの、カメラは「まあまあ」な出来だったこともあり、スマートフォンとしての魅力にはやや欠ける製品でした。ASUSやBlack Sharkも翌年ゲーミングスマートフォンに参入しましたが、やはりCPUに力を入れていたもののカメラはそれほどまで重視されていなかったのです。ゲーミングスマートフォンはゲームをするもの、という位置づけだったわけです。

  • ゲーミングスマホ市場を生み出したRazer Phone

しかし2020年に購入できるゲーミングスマートフォンは、iPhoneやGalaxyを上回る性能を備えています。高速に動作することはもちろん、最新の通信方式である5Gに対応。バッテリーはROG Phone 3が6,000mAh、他の2機種は5,000mAh弱を搭載。ディスプレイサイズも6.6インチ以上と大きく動画を見るのにも適しています。

  • チップセットは大手のハイエンドスマホと変わらぬSnapdragon 865シリーズを採用

スペックだけを見るとこれら3機種をゲーム用途だけに使うのでなく、普段使うスマートフォンとしても十分であると思われます。パソコンの世界でもいまやハイスペックPCと言えばゲーミングPCであり、ゲームだけではなくビデオ編集用などにも利用されています。スマートフォンも同様にハイスペックなものを使いたいのであれば、ゲーミング端末を選ぶことも選択肢の一つの入れてもいい時代なのです。

  • ハイスペックなだけではなく本体デザインも実はカッコいいのが

ゲーミングスマートフォンの魅力はスペックだけではありません。各モデルとも本体を冷却する外付けの空冷ファンが用意されています(一部機種は未発売または購入特典)。グラフィックに凝ったゲームをプレイしなくても、ポケモンGoなどを使っているとスマートフォンが過熱して止まってしまう経験があったという人も多いでしょう。スマートフォン用の冷却シートやファンも売られていますが、ゲーミングスマートフォン向けの空冷ファンは本格的なもので、ペルチェ素子を使ってあっという間に10度以上も温度を下げてくれるものもあります。

  • 空冷ファンで強制的な冷却ができる(Red Magic 5S)

またROG Phone 3は初代モデルから豊富な合体式のアタッチメントが用意されています。同じサイズのディスプレイをもう1枚追加できる「TwinView Dock 3」を装着すればポータブルゲーム機にはできない2画面プレイも可能になります。拡張性も考えられているのがゲーミングスマートフォンの大きな魅力です。

  • TwinView Dock 3を装着したROG Phone 3

これだけハイスペックなゲーミングスマートフォンですが、価格は思っているよりも高くはありません。それぞれのモデルの最小構成価格は以下の通りです(日本円価格は税込み)。

  • ASUS ROG Phone 3:13万1,800円
  • Black Shark 3:6万9,800円
  • Nubia Red Magic 5s:579ドル(約6万1,000円)

ROG Phone 3はスペック相応な価格ですが、iPhoenやGalaxyの上位モデルよりは割安です。一方中国メーカーの2製品はその約半額近い価格で、スペックを考えると激安と言えます。

Black Sharkはシャオミが出資しているメーカーですし、Nubiaも元々はZTEから独立したメーカー。どちらも会社としてはまだまだ無名ですが、そのバックや前身は大手のメジャーメーカー。製品の品質は十分信頼できます。

海外でもゲーミングスマートフォンに注目する人が増えています。5Gがこれから本格普及を始める日本でも、スペックが高く5Gも使える最新ゲーミングスマートフォンは注目を集める存在になっていくかもしれませんね。