スマートウォッチを使っている人もすっかり多くなりました。腕時計をしていなかった人でも、スマートフォンの通知を受けたり1日の運動量を計測できる機能を積極的に使っているというケースも見られます。とはいえスマートウォッチの値段は数万円とまだまだ高いのが現状です。

スマートウォッチよりも画面サイズが小さく、電池の持ちもいいリストバンド型の製品ならば1万円を切るものが多く出ています。その中でもシャオミが海外で発売した「Mi Band 5」に大きな注目が集まっています。価格は中国で189元、約2,900円。ヨーロッパでは39.99ユーロ(約4,900円)で販売されています。ちょっとした食事や宴会に1回行く費用で買える低価格ながら、Mi Band 5は高い性能で早くも注目を集めています。

  • シャオミの格安リストバンド「Mi Band 5」

ところでスマートウォッチの代名詞と言えばAppleの「Apple Watch」が頭に浮かぶ人が多いでしょう。シャオミのリストバンドは日本でもまだあまり知られていません。ところが世界のスマートウォッチ・リストバンドのマーケットシェアを見ると、実はシャオミが1位でAppleを抜いているのです。小型ヘッドフォンを含めた「ウエアラブルデバイス」ではAppleが1位ですが、腕に装着する製品ではシャオミがAppleの倍近い差をつけて世界各国で売れているのです。

  • Canalysの2019年第3四半期までの調査。腕装着端末ではシャオミがトップを走る

シャオミは格安スマートフォンメーカーとして知られており、日本でも2万9,800円の「Redmi 9S」を発売しています。リストバンド端末も「Mi スマートバンド 4」を販売中です。MI Band 5はその後継モデルで、使いやすさや性能が大幅に向上しています。

Mi Band 5は1.1インチのカラーディスプレイを搭載しています。これだけの大きさがあれば待ち受けの時間表示やスマートフォンからの通知表示も十分見やすいでしょう。

  • 1.1インチディスプレイで表示も見やすい

また待ち受け画面は自分では作れないものの、様々なパターンのものが用意されています。その数は多いのでその日の気分に応じて変更することも可能です。なお中国で販売されているMi Band 5は「エヴァンゲリオン」「名探偵コナン」「初音ミク」と日本のアニメーションとコラボした壁紙が用意されています。ライセンスの関係で中国だけでしか利用できないようですが、日本でMi Band 5が発売されることになったらぜひ提供してほしいものです。

  • 日本のアニメとコラボした壁紙。日本でも展開してほしい

Mi Band 5は本体部分とバンド部分が分離する構造になっています。このバンドは表面がシリコン加工されているため長時間腕につけていても汗でべとべとしてしまうこともありません。またバンドは9色用意されているので着せ替えも可能です。しかもシャオミが純正で販売するバンドの価格は中国では19.9元(約300円)とこれまた激安。さらにサードパーティー製のバンドも多数販売されています。

  • 豊富な交換バンド。すべて買っても数千円だ

充電はMi Band 5の裏に専用ケーブルを装着するだけ、マグネットで接触するので簡単です。1回の充電で通常モードで14日間使えるので、充電は約2週間に1回で済ませられます。スマートウォッチの中には毎日充電が必要なものも多く、睡眠のモニタリングができるといいながら寝ている間には腕から外して充電しなくてはならないものも多くあります。Mi Band 5なら寝ている間も腕から外す必要はないのです。

  • 充電ケーブルはマグネットで接続される

肝心の機能は健康・運動管理が強化されています。心拍センサーを背面に装着しており24時間自動的に計測が行われます。また心拍数のデータからストレスの状態を表示する機能も加わっています。緊張状態が続いた時などに深呼吸を促すガイド機能も搭載。これだけでもかなり有用な機能です。

運動量の計測は歩数のカウントの他に、11のスポーツの運動量を計測。屋外ランニング、トレッドミル、屋外サイクリング、屋内サイクリング、ウォーキング、エリプティカル、ローイングマシン、ヨガ、縄跳び、スイミング、フリースタイルとこれだけあればフィットネスを行っている人も十分活用できるでしょう。スイミング中もそのまま使えるように50メートル防水対応なので、シャワー中もMi Band 5を腕から外す必要は無さそうです。

  • スポーツ時の運動量計測にも向いている

また新しい機能「PAI」は健康維持のために必要な運動量の指標で、数値が100になるように運動することを促してくれます。さらに女性向けとなる生理の予測・管理機能も加わっています。このようにMi Band 5はスマートウォッチと比較すると、スマートフォンのペアとして使うコンパニオンというよりも、健康管理を重視したデバイスであることがわかるでしょう。

  • Mi Band 5の目指すものは「多機能」よりも「健康管理」だ

他にもスマートフォンをコントロールする機能も搭載しています。カメラのシャッターボタンは市販のBluetoothリモコンのようにMi Band 5からスマートフォンのカメラを遠隔操作できます。音楽コントローラーではスマートフォンで再生中の音楽の操作が可能。そしてMi Band 5からスマートフォンを探したり(スマートフォンから音が鳴る)、スマートフォンからMi Band 5を探す(Mi Band 5がバイブレーションで振動する)こともできます。

  • Bluetoothリモコンのようにスマートフォンのカメラのシャッターを切れる

これらの機能をすべて活用すればより健康的な生活を送ることができるようになるでしょう。しかも3,000円弱で買えるのです。あとはスマートウォッチのように支払い機能が搭載されると完璧なのですが、中国ではNFCを搭載したMi Band 5も発売されており、地下鉄やバスに乗ったりモバイルペイメントにも利用できます。NFC版のMi Band 5の国際展開もぜひしてほしいもの。

  • NFC版のMi Band 5なら切符代わりに使用できる

Mi Band 5の日本発売は未定です。シャオミは今年に入ってから精力的に低価格なスマートフォンを日本に投入していますし、前述したようにすでにMi スマートバンド4を販売しています。テレワークが増え自宅に籠る日が増えれば運動時間も減りますしストレスも高まります。定期的な運動を行うなど健康維持がより重要なこれからの時代だけに、Mi Band 5の日本発売を期待したいものです。

  • テレワーク時代だからこそ健康維持が重要、Mi Band 5を日本でも出してほしい