テレワークの普及が進む中で自宅用にノートPCの購入を検討する人も多いでしょう。しかし仕事でノートPCを使うとなると、オフィスアプリの購入が必要など意外と追加コストがかかるものです。またスマホよりも厳重なウイルス対策も必要となりますし、OSの頻繁なアップデートもしなくてはいけません。ノートPCは意外と手間がかかるものなのです。

ならばスマホをPCスタイルで使うのもいいのではないでしょうか。今のスマホはケーブルやハブを接続して、外部モニタやキーボードをつなげばPCのように利用することもできます。とはいえケーブルの取り回しは面倒ですし、キーボードやマウスを操作する場所も必要などあまり使いやすいものではありません。

そこで登場したのがキーボードとディスプレイを備えたノートPC型のドッキングステーションです。見た目はノートPCながらも単体では動かず、スマートフォンをケーブル1本で接続することでスマホの外部ディスプレイ+キーボードとして使えるデバイスです。最近ではいくつか製品が登場しており選択肢も増えています。

  • ノートPCスタイルのスマホ向けドッキングステーションがいろいろ出てきている

E-Huge Technologyの「MobileBook」は11.6インチディスプレイを搭載したスマートフォン用のドッキングステーション。対応するスマートフォンはサムスンのGalaxyシリーズやファーウェイのPシリーズ、Mateシリーズの上位モデルとなっています。すでにAmazonで販売中、39,800円とノートPCより安く購入できます(先行100台限定価格)。

  • Amazonで販売中のMobileBook

これらのスマートフォンは外部ディスプレイに接続すると、PCのように広い専用のデスクトップ表示ができます。複数のアプリを同時に立ち上げ、別々のウィンドウで操作できるなど使い勝手はノートPCにかなり似ています。

  • スマートフォンをノートPCのように利用できるサムスンの「Dex」機能

MobileBookにサムスンやファーウェイのスマホを接続すれば、ブラウザを広げながらYouTubeを見るといったマルチウィンドウ利用ができるわけです。普段使っているスマホアプリをノートPCスタイルで使えるのが大きなメリットといえます。仕事で使う場合は有料アプリを買う必要もあるでしょうが、同じアプリでもPC用よりスマートフォン用のほうが概して安いことが多いのでコストも抑えられます。

MobileBookにはマイクロSDカードスロットやUSB Type-A端子(2つ)、HDMI端子、3.5ミリヘッドホン端子も備えています。Type-C端子しかないスマートフォンを使っている場合でも、MobileBookにヘッドホンを挿して音楽を聴くこともできます。また家にTVがあるならMobileBookの画面をそのままTVの大画面に映すこともできるわけです。

  • スマホよりも拡張性もある。ヘッドホンを接続できるのは意外と便利

Zoomなどのビデオ会議を行う場合も、Mobilebookは便利な存在になります。カメラはスマートフォンのものを使うのでスタンドが要りますが、MobileBookの大きいディスプレイを使いながらヘッドフォンをつなげば快適なビデオ会議環境ができあがります。チャットで長文を入力するときもキーボードを使って楽に行えます。

このMobileBookよりも前に開発され、Miraxessから間もなく発売予定のMirabookも同じコンセプトの製品です。フランス発の製品だけに本体のデザインも美しく、13.3インチとさらに大きいディスプレイならより多くのアプリを同時に開いても見にくいことはありません。Mirabookも各種外部端子を備えているので拡張性も十分あります。充電端子もUSB Type-Cなのでスマートフォンなどと共用できます(MobileBookは専用のACアダプタが必要)。

  • フランス発のドッキングステーションMirabook

Mirabookは2017年に最初のプロトタイプが発表されたものの、なかなか製品化されませんでした。しかし開発中に様々なアップデートが加えられており、iPhoneの接続も可能になる予定です。日本でも正式な予約が始まっており、ヨドバシカメラでは59,980円の価格で受付中。iPhoneユーザーにとって気になる存在になりそうです。

  • スマートフォンを大画面とキーボードで使えるメリットは大きい

海外ではWindowsタブレットとスマートフォン用ドッキングステーションの両用となる「APC+」がEEENEWからアナウンスされており、2020年11月に発売予定です。こちらはiPhoneの利用も可能なようで、MobileBookやMirabook同様に様々なスマートフォンに対応します。ディスプレイサイズは13.3インチ。マイクロソフトの「Surface」のように脱着式のキーボードを備えています。

  • EEENEWのAPC+

Windowsタブレットにも利用できるAPC+が799ドル、ドッキングステーション専用モデルのAPCが399ドル。先着500名はキーボードが無料とのことです。ノートPCとしてWindowsも使えるAPC+モデルはより仕事重視の人にとって使いやすい存在かもしれません。

  • Nintendo Switchも利用できる

いまやハイエンドスマートフォンの性能は低価格なノートPCを超えています。格安なノートPCを買うよりも、これらのドッキングステーションを購入してスマートフォンを使ったほうが快適なテレワーク環境が構築できるかもしれませんね。