KDDIから販売されている「Galaxy Z Flip」(SCV47)はディスプレイを縦に折りまげることのできる珍しいスマートフォンです。一昔前のガラケーを使っていた人には懐かしいデザインでもあるでしょう。閉じればコンパクト、開けば大画面のスマートフォンになりますが、実は半開きにした状態で使うとカメラとしての使い勝手が高いのです。2月にヨーロッパ取材したときに現地で使って見ましたが、デジカメ代わりに楽に写真が撮れとても便利でした。
Galaxy Z Flipは開くと167.3×73.6×7.2mm、閉じると87.4×73.6×17.3mmというコンパクトサイズになります。重量は183g。本来は開くか閉じるかのどちらかのスタイルで使いますが、ヒンジ部分はある程度自由な位置に止まるので、アプリによってはその状態で上下2つのディスプレイに別々の表示をさせることもできます。
開いた時のディスプレイサイズはなんと6.7インチ。最近のスマートフォンの中でもかなり大きいでしょう。縦横比は22:9とかなり長く、2つのアプリの同時表示もなんなくこなします。
閉じた状態では手のひらにすっぽりと収まる大きさのため、街中で歩きながら持っていてもあまり目立たちません。ハンドバックやポーチにもすっぽり入るので邪魔にならないのもいいなと思いました。なおヨーロッパではスリの多い都市も多く、筆者もスペインやイタリアで被害にあったことがあります。しかしGalaxy Z Flipなら畳んだ状態でこれがスマートフォンとは思われにくいですし、小さいため隠しやすくなります。
また写真撮影時にも折りたたみ構造が便利だと感じました。風景を撮るときなど、スマートフォンを片手で持ってカメラアプリのシャッターを押そうとすると、意外と端末を安定して保持するのが難しい場合があります。両手を使えばいいのでしょうが、スーツケースを引っ張っているときなど荷物から手を離すのは場所によってはスリの被害を心配しなければならないことも(そのような場所で写真を撮らないようにするべきですが)。
ところがGalaxy Z Flipを半開きにして被写体にカメラを向けると、画面表示の下半分がカメラ操作画面になるため、無理なくシャッターを押せるのです。
Galaxy Z Flipはこの半開きにした状態のユーザーインターフェースを「Flex Mode」と呼び、カメラなどを使うときは画面の上が表示画面、下が操作画面になるのです。動画と静止画の切り替えも片手で行えるわけです。
なおGalaxy Z Flipには「シングルテイク」というカメラモードがあります。これはシャッターを押すと10秒間動画を撮影し、その間にカメラを動かすと撮影終了後に自動的にハイライトとなる写真や短い動画をAIが自動で複数個生成してくれるのです。いい風景を見つけたら写真を撮るのではなく、シングルテイクで10秒動画を撮っておけば、アングルの違う写真や突然写りこんできた鳥が入った動画が撮れていたりという、面白い機能です。
さて半開きでカメラを持っていると、人がぶつかってきてもスマートフォンを落としにくく、ちょっと人の多いところでも安心してシャッターを押せました。
バルセロナの市場の中を歩き回りながら、気になるものを見つけたらGalaxy Z Flipを取り出して半開きで写真撮影。常に片手で写真が撮れます。
なお動画も撮ってみましたが、この場合は横向きにして半開きの状他のほうがハンディカムを持っているような形で安定します。ですがこの場合は素直に完全に開いたほうがいいかもしれませんね。
なおガラケーのように開閉ボタンは無いため、本体を片手で開けるにはちょっとした慣れが必要です。また閉じるとほぼ正方形になるため、手の小さい人には片手で開くのはちょっと難しいかもしれません。また落下防止にはストラップの付くケースを用意したほうがいいかもしれないです。
4月にはブランド「トム ブラウン」(Thom Browne)とのコラボレーションモデルも発売予定です。こちらはスマートウォッチやBluetoothヘッドフォン「Galaxy Buds+」がセットになっており、トム ブラウンの店舗で販売される予定とのこと。価格はさらに高くなりそうですが、こちらもいいデザインです。
今後Galaxy Z Flipのような縦折デザインのスマートフォンはまだまだ出てくると思われます。スマートフォンでカメラをよく使う人にとって気になるデザインになるかもしれません。Galaxy Z Flipはauの店や量販店で展示されているので、ぜひカメラ機能を試してみてください。