スマートフォンからコントロールできる照明や家電製品などが増えています。最近ではGoogleのスピーカーから音声で操作できる家電もあり、スイッチに触らなくても電源を入れることができる製品も売られるようになりました。これらの製品は「スマート家電」と呼ばれ、様々なメーカーから製品が出ています。最近では日本のスマートフォン市場に参入した中国のシャオミが、スマートフォンで操作できるスマート炊飯器も投入しようとしています。
とはいえ「家の照明をスマホ操作できるものに買い替えよう」とはなかなか思えないものです。そこで韓国のカカオは自宅に設置するかわいいインテリアにもなる、キャラクターを使ったスマート家電「Kakao Friends HomeKit」を発表しました。
カカオは日本のLINE同様、韓国で最も人気のあるSNSサービスを展開しています。キャラクター展開も本格的にしており、日本の「Line Friends」のようなキャラクター、「Kakao Friends」は韓国のみならず東南アジアでも人気です。
Kakao Friends HomeKitは、そのKakao Friendsのキャラクターをあしらっており、スマートフォンとの連携操作もアプリにキャラクターをあしらいアプリを使うことも楽しめるような工夫がされています。
発売予定のスマート家電は、以下の7種類です。
・スマート体重計
・スマートランプ
・スマート空気清浄機
・スマート加湿器
・スマート体温計
・スマートカメラ
・スマートアラーム
体重計、ランプ、空気清浄機などはKakao Friensのキャラクターがフィギュアとして付属しており、体重計と空気清浄機はフィギュアをマグネットで好きな位置に固定できます。また他の家電に好みのマスコットを取り付けることも可能です。
さて製品の基本デザインを担当したのは日本の佐々木オオキ氏が代表を務めるデザインオフィス、Nendo。たとえばスマート体重計は雲の形をしていますが、これは軽さをイメージしているとのこと。スマートランプは照明をイメージさせる「光線」、スマートアラームならアラームを鳴らす「小鳥」と、それぞれに意味も持たせているのです。
スマート体重計の雲のデザインは、足を乗せるとそれだけで空を飛ぶような、なにやら身体が軽くなった気分になれそうです。しかもバスルームや洗面台に置いておくと、それだけでも絵になる感じがします。さらにはKakao Friendsのフィギュアが付属するので、それを好きな位置に配置できます。もちろん計測した体重はアプリに記録され日々管理できます。
スマートランプは内部にKakao Friendsのキャラクターを大胆にも設置。もはやランプが主なのか、キャラクターが主なのかわかりませんが、これなら机の上やベッドサイドに置いておくインテリアとして買いたくなるかもしれません。アプリで光の色を自在に変えられますが、光の色設定によってアプリ内のキャラクターの表情が明るくなったり暗くなったりするというアクションも加えられています。
このようにKakao Friends HomeKitは家庭に必要な家電を消費者が軽い気持ちでスマートな製品に置き換えようと思えるデザインをしていますし、アプリも使うことが楽しく、スマート家電に興味の無かった層も惹きつける魅力を備えています。サンリオやディズニーキャラクターのスマート家電も国によって少し出ているようですが、カカオはスマートフォン利用者も多く5Gが始まった韓国でまずはスマート家電を本格展開し、若い世代へスマート家電の利用を促そうと考えているのでしょう。
SNSのキャラクターを使ったスマート製品と言えば、日本ではClovaからLine FriendsのキャラクターのAIスピーカーが出ています。実は韓国でもすでにKakao Friendsのスマートスピーカーが出ています。カカオとしてはAIスピーカーとも連携させることで、Kakao Friendsのスマート製品をどんどん家庭に普及させていき、そこから得られるデータを元に新たなビジネス展開を行う、というところまで考えていることでしょう。たとえば個人の健康データがあるだけでも、医療機関との連携やサプリメント販売など、ビジネスの広がりが期待できるのです。
Kakao Friends HomeKitが成功すれば、日本でもLineや他のキャラクターの製品が出てくるかもしれません。なかなか普及しないスマート家電も、キャラクターの力を使えば意外と若い世代から利用者が増えていくかもしれませんね。