世界各国に進出した中国のシェア自転車も日本で撤退する例がみられるなど、苦戦する話が聞こえるようになってきました。しかし新しいサービスが中国で生まれ海外展開を行うのが当たり前の時代になっているわけです。そんな中国ではいま「HEYTEA」(喜茶)と呼ばれるミルクティーのチェーン店が大人気。インスタ映えするとあって日本でも注目されています。
カップ入りのフレーバーティーの上にクリームチーズをのせるというHEYTEAは新感覚の飲み物として大人気で、注文してから出てくるまで10分20分待つことはザラ。混んでいるときは1時間待つのも当たり前とか。中国といえば行列を守らず人気の店にはお客さんが殺到するというイメージがありますが、HEYTEAの店舗に行ってみると誰もが辛抱強く整然と並んでいます。お客の層が10代から20代と若い新世代ということもあるのでしょう。
あまりの人気の高さにHEYTEAには代行業者も列に加わっていることがあります。1回の注文でどれくらい儲かるのかわかりませんが、彼らもスマートフォンでゲームをしながらむしろ行列を楽しんでいるよう。店の作りは場所によって様々ですが、どの時間に行っても人の数の多さに圧倒されてしまうかもしれません。
お店は清潔感があり、ここが中国であることを忘れてしまうかもしれません。壁にメニューが張り出されていないためどうやって注文するか悩みますが、QRコードからスマートフォンアプリを落としてリモートで注文もできます。とはいえ混んでいるときは「受け取り時間は1時間後」のようにかなり待たされます。それほどまでに人気なのです。
すいている時間でも10分くらい待たされることがあるのはスマートフォンからの注文も殺到しているからでしょう。出来上がったものを飲んでみると、上のほうはクリーミーなチーズ、下のほうはさっぱりした紅茶と1つで2つの異なる味わいを感じられます。一度飲むと病みつきになりそうです。
清潔感あるHEYTEAのお店はそれだけでも紅茶片手に写真を撮りたくなりますが、HEYTEAにはインスタ映えを狙ったかのような限定のお店もあります。北京には「HEYTEA BLACK」、深センや広州には「HEYTEA PINK」があるのです。それぞれ店の色合いを黒、ピンクにしているのです。深センのお店はスマホメーカー、シャオミのフラッグシップストアがあるハイテクパークのショッピングモール「万象天地」に店舗を構えています。
ピンクの色で飾られたHEYTEA PINKの店舗は遠めに見ても目立ちます。購入したドリンクを手に出てくる人のほとんどがお店の前でセルフィーを撮っているほど。
スマートフォンアプリは中国語で慣れるまで時間がかかりますが、店員さんに飲みたいオーダーを伝えるための「写真つきメニュー」として利用するのもいいでしょう。
中国で最も人気のお店ということもあり店員さんも親切で、片言の英語が通じる人もいます。そしてイケメン系の人も多いようですが、やはりここは人気の職場なのでしょう。中国語ができなくても「どうしてもHEYTEAが飲みたい」という熱意でがんばって注文しましょう(笑)。
HEYTEA PINKの店内はピンク色に統一された椅子とテーブルがあったり、ピンクのボールの入ったバスタブがあるなど写真を撮りたくなる内装になっています。でも撮影はまだ先。注文したドリンクが出てきてから一緒に撮りたいもの。
今回は平日の午後15時くらいに訪問したのですが、オーダーしたドリンクを受け取ったのはなんと1時間後でした。店外に置かれた重心が安定しない椅子に座って遊んだり、店の外観を撮影したりとかしてみましたが1時間待つのは大変。HEYTEAに行くときは長時間待つのが当たり前と考えて、その待ち時間中に友人とゆっくり雑談を楽しむのがよさそう。
そしてようやく受け取りです。PINKな店だけにピンク色のドリンクにしてみましたがこれもすっきりした後味がおいしく感じます。実は最初のお店は午前中、PINKには午後と同じ日に来たのですが、1日何杯でも飲めてしまいそうです。
もちろん、飲む前に店内でインスタ用の写真を撮ることをお忘れなく。それにしても周りの地元のお客さんたちもみな文句も言わずにじっと1時間待つとはHEYTEA人気がそれだけ高いということなのでしょう。1時間待ち写真を撮る、それだけでもイベントなわけです。
最初に紹介したHEYTEAの店は深セン電脳街「華強北」のすぐ横のショッピングモールに入っています。電脳街巡りも歩き回っていると意外と汗をかくものです。コンビニでジュースもいいでしょうが、HEYTEA片手に電脳街巡りというのもいいですね。またシャオミのフラッグシップストアに足を延ばしたらHEYTEA PINKにもぜひ立ち寄ってください。