海外旅行になくてはならないスマートフォン。最近ではLCCのおかげで台湾や韓国などは国内感覚で飛ぶこともできるようになりました。週末1泊二日でソウルや台北へ行き、食事と買い物をする人も珍しくありません。
日本のスマートフォンを海外で使うためには海外ローミングサービスを使う必要があります。各社様々なプランを出していますが、auは日本で自分が使っているデータ利用分をそのまま海外でも利用できる「世界データ定額」を提供しています。1日あたり980円がかかるものの、日本にいる感覚で海外でもそのまま自分のスマートフォンを利用できるわけです。
この世界データ定額が、2月いっぱいは韓国では無料で利用できます。これは平昌五輪開催に合わせてのキャンペーン。アプリから申し込みは必要ですが、追加料金不要で韓国でも自分のスマートフォンが使えるのはとても便利です。
ちなみにauはこのキャンペーンに合わせて、2月中は仁川国際空港に特設カウンターを設置して、世界データ定額利用者にプレゼントを提供しています。仁川国際空港の新しくなったターミナル2、そして日本からのLCCなども多く到着するターミナル1のどちらにもカウンターを設置。現地キャリアのLG U+のカウンターの1カ所に、auのオレンジのロゴを掲げています。
この手のサービスは筆者の居住する香港の一部のキャリアも提供しています。しかし海外用のプランを追加したり、海外用プランへの加入が必要となります。auのように「キャンペーン期間中」「特定の国が対象」とはいえ、追加料金一切無料で海外でも国内データ利用分が使えるというサービスはなかなかありません。
今回のように、近隣国で大きなイベントがあれば普段より多くの人が海外へ行くでしょう。auの関係者に話を聞くと、今回のキャンペーンで海外ローミングを利用する人の数は確実に増えているとのこと。それまでは海外に出ると自分のスマートフォンは機内モードのままWi-FiをONにし、レンタルしたWi-Fiルーターを使ってデータ通信を行ったり、あるいは現地の無料Wi-Fiのみを利用していた人も多かったでしょう。
仁川国際空港のLG U+のカウンターでもWi-Fiルーターレンタルを行っています。しかしここにルーターを借りに来た日本からの渡航客がauのロゴを見つければ「何かな?」と思うに違いありません。そしてそこで世界データ定額を利用すれば、ルーターを借りる必要もなくなります。なお世界データ定額はテザリング利用も出来ますから、グループで渡航して1人だけがauユーザーでも、そのデータ利用分をシェアして使うことも出来ます。
世界データ定額の無料キャンペーンを韓国で利用するユーザーはauにとっては収益のプラスにはならず、現地のローミング先キャリアへはauからの支払いがあります。そのためau内部の利益はマイナスです。しかしながら自分のスマートフォンが海外でもそのまま電源を入れれば使うことが出来ることを知れば、他の国で世界データ定額を使ってくれるようになるでしょう。週末台湾に行くなんて時は、ルーターを借りるよりも1日980円を支払って世界データ定額を使うほうが手軽です。
複数のキャリアと契約している人は、海外へ行くときにどのキャリアの国際ローミングサービスを使うか比較するのもいいでしょうね。毎日しっかり使うとか、ホテルのWi-Fi環境が不安というときは、「1日定額」のほうが便利でしょう。一方、移動中に少しずつ使う、なんてときは世界データ定額のように、普段使っている無料データ分をそのまま海外で使うのが簡単です。
筆者も韓国へよく渡航しますが、Wi-Fi環境が整っているためデータ通信を使わなくてもそれなりにスマートフォンを活用することができました。仁川国際空港は無料Wi-Fiが完備されていますし、高速鉄道KTXでは車内Wi-Fiが利用できます。食事中やショッピング中はたいていのレストラン、ショッピングモールにWi-Fiがあります。韓国のホテルは当然ですがWi-Fi完備です。
スマートフォンのデータ通信を利用したのは空港から駅と駅のホーム、駅からホテルまでのバスなどわずかな時間でした。韓国ならば1日定額を利用しなくとも、世界定額のようなサービスでも滞在中のスマートフォン利用は十分かもしれません。
世界データ定額は現在163カ国で利用できます。さすがにその全部の国を無料で利用できるようにするのは難しいでしょうが、今回のように特定のイベントがあるときにその国だけを無料にする、あるいは半額にするといったキャンペーンはぜひ行ってほしいもの。そして他のキャリアも追従したキャンペーンを提供してほしいものです。