2017年秋冬の新製品発表会が相次いで海外で開催され、そのいくつかのモデルは日本でも発売される予定だ。だが派手な発表会が行われなかったものの、日本でぜひ販売してほしいスマートフォンが登場している。ペン付きのハイスペックスマートフォン「Galaxy Note8」を発表したサムスンがアメリカで販売している「Galaxy S8 Active」は、その完成度の高さからぜひとも日本でも展開してほしい製品だ。

ハイスペックかつタフなボディー、Galaxy S8 Active

スマートフォンの世界シェア1位のサムスンは、様々なスマートフォンを各国で販売している。日本向けにはハイエンドの「Galaxy S8」シリーズだけではなく、低価格で基本スペックが充実した「Galaxy Feel」を投入しているように、ハイエンド以外の製品も数多く手掛けている。

海外の展示会のサムスンブース。多数のスマートフォンが展示される

一方、端末のスペックそのものではなく、デザインや仕様にこだわった製品も海外では販売中だ。その1つがアクティブ系の端末。防水防塵はもちろんのこと、米軍の物資調達仕様であるMILスペックに対応するなど、タフなボディーが自慢の製品だ。

このアクティブ系端末には、サムスンの誇るハイスペックモデルであるGalaxy Sシリーズに属する「Galaxy S Active」と、ミッドレンジモデルの「Galaxy Xcover」の2系統がある。日本でも過去に「Galaxy S5 Active」や、Xcoverの派生モデルである「Galaxy Active neo」が販売されたことがある。だが昨年、今年とアクティブ系の製品は日本に投入されていない。

日本でも発売されたGalaxy S5 Active

しかし海外ではほぼ毎年のようにアクティブ系端末が販売されているのだ。特にアメリカではAT&T向けにGalaxyS系のアクティブ端末が毎年登場しており人気となっている。2017年のアクティブ系モデルは「Galaxy S8 Active」で、その名の通りGalaxy S8系のスペックとほぼ同等のハイスペックな製品だ。

アメリカで販売中のGalaxy S8 Active

2017年8月に発売になったばかりのGalaxy S8 Activeは、5.8インチQHD+(1,440×2,960ピクセル)の大型ディスプレイを搭載する。Galaxy S8などと同じ18.5:9の細身のディスプレイを搭載しており、本体サイズは151.9×74.9×9.9 mmとやや縦長だ。しかし横幅は細身で片手でも楽に持てる。ちなみに昨年発売された「Galaxy S7 Active」は5.1インチQHD(1,440×2,560ピクセル)ディスプレイを搭載し、同じ74.9mm幅である。

5.8インチながらも片手で持てる74.9mm幅を実現

Galaxy S8 Activeはスペックも高く、Snapdragon 835 オクタコア2.35GHz、RAM4GB、ROM64GB。カメラはリアが1200万画素、フロントが800万画素。バッテリーは高容量な4,000mAhを搭載する。なおディスプレイの角は丸めてはおらず、エッジ・デザインとも呼ばれるGalaxy S8シリーズとは異なるフロント表情を持っている。

本体を側面から見る。四隅の角には硬質樹脂製のバンパーを備え強度を高めている

ディスプレイ下部にはこれまでのActiveシリーズは3つの物理キーを搭載していたが、Galaxy S8 Activeはそれも廃止しGalaxy S8シリーズ同様にガラス下にホームボタンが埋め込まれた。このディスプレイ面は硬質なゴリラガラス5に守られ傷がつきにくい。本体もIP68の防水防塵に加え、MIL-STD-810Gに準拠。かなりラフに扱っても大丈夫だろう。

角の部分をアップで見る。衝撃に強そうな構造だ

なお背面側は過去モデルにはミリタリー系の迷彩パターンのモデルがあったが、Galaxy S8 Activeではグレイとゴールドという一般的なカラーとなっている。ただしその表面はアスファルト地のような細かい穴状の仕上げとなっており、タフな製品であることを印象付けている。

グレイ一色ながら、表面には細かい穴を開けた仕上げとなっている

フラッグシップモデルのGalaxy S8、S8+とそん色ないスペックに仕上がっているGalaxy S8 Active。アメリカでの価格は約800ドルと、スペック相応の高い価格帯の製品として販売されている。日本ではすでにGalaxy S8とS8+が販売中で、この秋のグローバル新製品であるGalaxy Note8も投入されるという噂がある。3モデルもハイスペック製品を投入する中で、これ以上同じ性能の製品を日本向けに出すのは難しいかもしれない。

Galaxy S8+(左)との比較。ディスプレイ角を丸めていないことなどから印象はかなり異なる

だがスマートフォンはもはや日常生活に欠かせないアイテムであり、購入後にすぐお気に入りのケースを買って装着するなど、自分好みにカスタマイズして持ち運ぶ、日用品になっている。腕時計の好みのように、Gショックのようなタフなデザインの製品を持ちたいと思う人も多いだろう。サムスンはまだ日本市場にSIMフリーモデルを投入していない。ならば思い切ってこのGalaxy S8 ActiveをSIMフリーで日本で販売してはどうだろうか?タフな製品を好むユーザーはニッチ層だろうが、そんなユーザーは好みの製品があれば対価を払う。Galaxyシリーズ全体の魅力を高めるためにも、Galaxy S8 Activeの日本投入を望みたい。

タフなスマホを求める層は一定数いる。日本発売を期待したいものだ