2017年8月23日に発表となったサムスンのフラッグシップスマートフォンである「Galaxy Note8」。発表会は当日の12時に終了し、それと同時にアメリカでは家電量販店などでの実機の展示がすぐに始まった。アメリカでの発売予定日は9月15日。新型iPhoneの発表会が恐らくそのころに開催されるであろうことを見越して、大々的なキャンページが始まっている。
アメリカではVerizon Wireless、AT&T、Sprint、T-Mobileの主要4キャリアがGalaxy Note8を取り扱う予定だ。各キャリアで予約をすると周辺機器やアクセサリが無料もしくは割引価格で購入できる。9月24日までに予約すると360度カメラ「Gear 360」が無料(定価229.99ドル)、あるいは128GBのマイクロSDカードとワイヤレス充電台のセットが無料(定価189.98ドル)であるのは各社が共通で行っている優待だ。またスマートウォッチの「Gear 3」を割引販売するキャリアもある。
アメリカのスマートフォン販売は日本のようにキャリアが本体価格を大幅に割り引くことは無くなったため、アクセサリの優待や基本料金の割引などでユーザーの関心を惹こうとしているようだ。ちなみに本体の割引価格は2年契約時でAT&Tが100ドル、Sprintが150ドルなど。Galaxy Note8の定価は929.99ドル(約10万1,900円)なので、割引率は10-15%程度、格安で買うことは難しい。
ニューヨークの家電量販店では専用の案内コーナーを設けてGalaxy Note8の予約や優待を説明するスタッフの姿も見られた。実機の展示コーナーにも同機を目当てに来訪する客の姿も多く、前評判はかなり高いようだ。店舗のスタッフも教育をしっかり受けているのか、スタイラスペンの使い方などをしっかりと説明していた。
一方、ニューヨークにあるサムスンのショールーム「Samsung 837」にもGalaxy Note8がずらりと並べられていた。平日昼間にも関わらず複数の来客が展示機Galaxy Note8を手にスタッフに説明を聞く姿も見られ、家電量販店同様に発表会のニュースを見てから実機を触りに来たようだ。
スタッフは来客に「今使っているのはiPhoneですか? それともサムスンですか?」と尋ね、iPhoneユーザーの場合はAndroid OSのメリットやデメリットから説明するなど、Galaxy Note8を買う前に知っておくべきことをきちんと伝えているのが印象的だった。10名ほどの来客の対応を見ていたが、そのうち3名はGalaxy Note3やNote5を使っているユーザーだった。ペンが手放せず同じ機種を使い続けていたが、大幅に進化したGalaxy Note8が出ると聞いて現物を触りに来たと話していた。
スタッフは、Galaxy Note8のベゼルの薄い大型ディスプレイのメリット、2つのアプリを同時に起動できるマルチウィンドウ、そしてスタイラスペン(Sペン)を使った各種操作を説明。Sペンのデモは手書き文字を書き順のままアニメーションとして送れる「Live Message」の人気が高く、Note8を触りに来た男性の付きそいで来た彼女の方が楽しみながら文字を書く、なんて姿も見られた。たくさんの実機が置いてあり、しかもきちんと説明のできるスタッフがいるからこそ、新機能もしっかりとアピールできるのだろう。
但しSamsung 837はショールームのため、実機の販売は行っていないとのこと。本体を購入したい場合はオンラインでキャリアか家電量販店で予約を行う必要がある。Galaxy Note8はまだ未発売とは言え、せっかくショールームで実機をいじって気に入った来客にその場で本体を販売しないのは販売機会の損失に思えてならない。Galaxy Note8の販売日にはここで販売イベントもぜひ行ってほしいものだ。
ところで筆者がSamsung 837を訪れたのは発表会の翌日の8月24日だった。夕方の16時に訪問すると、建物を取り囲むように若者たちが長い行列を作っていた。これはもしかしてGalaxy Note8の予約優待受付をやっているのだろうか? 気になって店内にいるスタッフに聞いたところ、この日は17時からアーティストを呼んだ演奏ライブが行われるとのこと。Samsung 837はサムスン製品の紹介だけではなく、講演やライブなどの不定期イベントもよく行われているそうだ。
家電店数店舗とショールームを1日かけて回ってみたが、Galaxy Note8の前評判はアメリカでもかなり高いように感じられた。ディスプレイとペン、そしてカメラが大きく進化した製品だけに、この秋冬の人気上位製品になることは間違いなさそうだ。