こんにちは。阿久津です。Windows VistaのRC(Release Candidate:出荷候補)版が登場した頃、手持ちのノートPCへ無理矢理インストールし、記事を書いていました。そのノートPCのスペックは、Pentium M 1.40GHz、メモリ1GB、Mobility Radeon 9000(ビデオメモリ32MB)という構成のThinkPad R50。想像するにたやすい"導入できても快適とは縁遠い"環境でした。

そのときにやっていた設定が、インデックス機能の無効化やタスク(スケジューラ)機能、サービスの一部停止。エクスプローラに携わる各機能の無効化です。特に後者はファイル操作に大きく影響を及ぼすため、Windows Vistaから搭載された新機能の恩恵を受けられないものの、ある程度軽快に使えるようになったことを思い出しました。

本連載で数回にわたり紹介してきたサムネイル表示系機能もそのひとつ。同機能に関するメリットは言わずと知れたものですが、パフォーマンスに大きく影響を及ぼすというデメリットも兼ね備えています。ただでさえバックグラウンドでストレージへの読み書きが多発するWindows Vistaでは、サムネイル情報の取得やメディアファイルからのデータ読み出しが、全体的な遅延につながってしまうのです。そこで、サムネイル関連機能の締めとして同機能を無効にするチューニングを紹介しましょう。

  1. <スタート>メニュー→クイック検索に「regedit」と入力して[Enter]キーを押す。
  2. レジストリエディタが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policies \ Explorerまでキーをたどって開く。
  3. 右ペインの何もないところで右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>と選択。名前を「DisableThumbnails」とする。
  4. 「DisableThumbnails」をダブルクリックし、データ値を「1」に書き換えたら<OK>ボタンをクリック。
  5. レジストリエディタを終了し、Windows Vistaを再起動する。
※直接入力の際は、バックスラッシュ(\)前後のスペースを取り除いてください。

これで設定完了です。再起動後はアイコンの表示サイズを変更してもサムネイル表示されなくなりました(図1)。今回はパフォーマンスを改善するため、システム全体を意味するHKEY_LOCAL_MACHINEで設定しましたが、ユーザー別に設定するときは、ステップ2で開くキーを、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policies \ Explorerに変更してください。

図1: 「DisableThumbnails」を作成し、データ値「1」を設定するとサムネイル機能が無効になります

また、本チューニングを行なうとフォルダオプションダイアログの<表示>タブにある詳細設定で、<常にアイコンを表示し、縮小版は表示しない>の項目が表示されなくなります。もちろんサムネイル表示機能を無効にするのですから、同項目がなくなるのも納得できるでしょう(図2)。

図2: チューニング後は<常にアイコンを表示し、縮小版は表示しない>が選択できなくなります

何らかの理由でサムネイル機能を有効にする場合は、作成したDWORD値「DisableThumbnails」のデータ値を「0」にするか、「DisableThumbnails」自体を削除してください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)