こんにちは。阿久津です。以前の連載でも触れたかと思いますが、Windows OSにサムネイル機能が搭載されたのは、Windows Me(Millennium Edition)から。Windows XPまでは単に96×96ドットに縮小した画面表示を行なう程度でしたが、Windows Vistaからは18×12ドットから245×245ドットまでシームレスにサイズ変更が可能になり、サムネイル機能が持つメリットを余すことなく得られるようになりました。

動画ファイルにはビデオスプロケット(Video Sprockets)と呼ばれる映画フィルムの両端にあるような白黒の破線が、画像ファイルにはフォトボーダー(Photo Border)と呼ばれる白いフレームが加わります。一見するだけで、そのファイルが動画なのか画像なのか見分けが付くため有用な機能と言えるでしょう。

しかし、このエフェクトとも言える加工処理がサムネイル画像サイズを小さくしていることにお気づきでしょうか。フォトボーダーの場合はフレーム効果が加わる分、サムネイル画像サイズが小さくなり、ビデオスプロケットの場合は左右にスプロケットが加わるため、左右が切り取られた状態で表示されます。

つまり、ビデオスプロケットはもちろんフォトボーダーなど加工処理が行なわれますと、サムネイル画像サイズは小さくなってしまうということです。Windows Vistaから用意されたサムネイル加工機能は、ファイルタイプで定義されており、サムネイル表示を行なう際、特定のレジストリ値が該当するキー内にあれば、先の加工処理がサムネイル画像に加わるという仕組みです。

今回はこのサムネイル画像の加工処理を変更して、サムネイルサイズを最大にしてみましょう。ここでは例として画像ファイル全般に対するサムネイル画像の加工処理を行ないます。

  1. <スタート>メニュー→クイック検索に「regedit」と入力して[Enter]キーを押す。
  2. レジストリエディタが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT \ SystemFileAssociations \ imageまでキーをたどって開く。
  3. 右ペインにあるDWORD値「Treatment」をダブルクリックで開き、値のデータを「0」に変更して<OK>ボタンをクリック。
  4. [F5]キーを押して変更内容をシステムに反映してから、レジストリエディタを終了する。
※直接入力の際は、バックスラッシュ(\)前後のスペースを取り除いてください。
これで設定完了です。サンプルピクチャフォルダなど画像ファイルがあるフォルダを開き、<表示>ボタンでサムネイル表示に切り替えてみましょう。これでサムネイル画像サイズが最大表示になりました。ステップ3で編集するDWORD値「Treatment」のデータ値は「0」で効果なし、「1」でドロップシャドウ、「2」でフォトボーダー、「3」でビデオスプロケットとなります(図1~4)。

これで設定完了です。サンプルピクチャフォルダなど画像ファイルがあるフォルダを開き、<表示>ボタンでサムネイル表示に切り替えてみましょう。これでサムネイル画像サイズが最大表示になりました。ステップ3で編集するDWORD値「Treatment」のデータ値は「0」で効果なし、「1」でドロップシャドウ、「2」でフォトボーダー、「3」でビデオスプロケットとなります(図1~4)。

図1: データ値が「0」の場合、“効果なし”になります

図2: データ値が「1」の場合、“ドロップシャドウ”の効果が加わります

図3: データ値が「2」の場合、“フォトボーダー”の効果が加わります

図4: データ値が「3」の場合、“ビデオスプロケット”の効果が加わります

今回は画像ファイル全体に対して操作を行ないましたが、特定の拡張子を持つ画像ファイルに対して設定する場合は、HKEY_CLASSES_ROOT \ SystemFileAssociations \ imageキーのDWORD値「Treatment」を削除し、HKEY_CLASSES_ROOT \ SystemFileAssociations \ .jpgなど特定の拡張子名を持つキーにDWORD値「Treatment」を作成してから、データ値を設定してください。また、動画ファイルに対してはHKEY_CLASSES_ROOT \ SystemFileAssociations \ videoで設定を行ないます。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)