こんにちは、阿久津です。コンピュータを活用する上で欠かせないファイル管理ですが、Windows 7ではライブラリ機能を搭載することで、ユーザーの負担を大きく軽減しました。しかし、その一方で残されているのがフォルダ管理。Windows OSでは通例的に、アプリケーションのインストールフォルダを「\Program Files」に固定しています。

ただし、64ビット版Windows 7の場合は差別化を行なうため、64ビットアプリケーションを同名のフォルダに、32ビットアプリケーションを「\Program Files (x86)」フォルダと、2つのフォルダを設けました。基本的には環境変数「ProgramFiles」で、優先するフォルダを選択しているため、ユーザーはフォルダの差異を意識する場面は多くありません。

しかし、世界中の有志が作成しているオンラインツールの多くは、実行ファイルやそれに伴うDLLファイルなどを圧縮した状態で配布し、ユーザーは手動で展開しなければなりません。ちなみに筆者の場合、32ビット版ツールであれば「%ProgramFiles(x86)%\Tools」フォルダ、64ビット版ツールならば「%ProgramFiles%\Tools」フォルダを設け、ツール名を持つサブフォルダ内にファイルを展開しています。

さて、このように32/64ビットアプリケーションによって、インストール先となるフォルダが区別されていますが、コマンドラインからの操作を踏まえますと、「(x86)」という文字列の存在により、操作が煩雑になってしまうことも。また、読者のなかには「Program Files」と空白を含んでいるフォルダ名に違和感を覚える方もおられるかも知れません。そこで今週は、アプリケーションの初期インストールフォルダを変更するチューニングを行なってみましょう。

1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディタが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersionまで、キーをたどって開きます。
3.右ペインにある文字列値「ProgramFilesDir」をダブルクリックで開きます。
4.ダイアログが表示されたら、値のデータを「C:\ProgramFiles」に変更し、<OK>ボタンをクリックします。
5.レジストリエディタを終了させましょう。
6.ホストドライブのルートフォルダを開き、何もないところを右クリック。メニューから<新規作成>→<フォルダー>と選択します。
7.ステップ06で作成したフォルダ名を「ProgramFiles」に変更しましょう。
8.<スタート>メニューの電源ボタンメニューから<再起動>を選択して、Windows 7を再起動します。

以上でチューニング終了です(図01~図06)。

図01: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を表示し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図02: レジストリエディタが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersionまで、キーをたどって開き、右ペインにある文字列値「ProgramFilesDir」をダブルクリックします

図03: 値のデータを「C:\ProgramFiles」に書き換えてから<OK>ボタンをクリックします

図04: 以上の操作を終えたら、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディタを終了します

図05: ホストドライブのルートフォルダを開き、何もないところを右クリックして、メニューから<新規作成>→<フォルダー>と選択します。フォルダ名を「ProgramFiles」に変更しましょう

図06: <スタート>メニューにある電源ボタンのボタンをクリックし、メニューを表示させてから<再起動>をクリックしてWindows 7を再起動します

アプリケーションのセットアップを行ないますと、インストールフォルダの既定値が「C:\Program Files\~」から「C:\ProgramFiles\~」に変更されます(図07)。

図07: 画面左はチューニング前、画面右はチューニング後のセットアップダイアログ。ご覧のようにセットアッププログラムが自動的に作成するインストール先のフォルダが変化しました

今回は32ビットWindows 7を対象に、空白を含んだフォルダを修正しましたので、微々たる変化となりました。ホストドライブ以外にアプリケーションをインストールしたい場合は、ステップ03~04の操作で、文字列値「ProgramFilesDir」のデータ値を「D:\ProgramFiles」など異なるドライブ文字を割り当ててください。

なお、肝心な64ビット版Windows 7の場合、文字列値「ProgramFilesDir」だけでなく「ProgramW6432Dir」も対象となります。また、同時に32ビット版アプリケーションの導入フォルダとなる文字列値「ProgramFilesDir (x86)」も含まれますので、あわせて変更を行なってください(図08)。

図08: 64ビット版Windows 7の場合は、同キーにある文字列値「ProgramW6432Dir」「ProgramFiles (x86)」も変更対象に加えてください

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)