こんにちは、阿久津です。Windows 7に備わった新機能の1つであるホームグループは、Windows 7を導入した各コンピュータで特定のサービスを稼働させ、主なライブラリに含まれるファイルやプリンタといったリソースを共有する機能です。初めて購入したコンピュータがWindows 7であり、家庭内に複数のWindows 7マシンがLANでつながる場合は有益な機能ですが、各コンピュータの共有リソースを手動で管理できる方には無用の長物と言えるでしょう。そこでエクスプローラのナビゲーションウィンドウから、<ホームグループ>リンクを削除するチューニング方法を紹介します。
そもそもエクスプローラのナビゲーションウィンドウに並ぶ一部のリンクには気になる項目が残されています。<コンピューター>もしくは<ネットワーク>のコンテキストメニューにある<削除>を選択しますと、確認をうながすダイアログが表示され、<はい>ボタンをクリックすれば削除されるように見えますが、実際には動作しません。ダイアログ内のメッセージを読めば、デスクトップ上に並ぶ特殊アイコンを対象にした項目のようですが、各特殊アイコンは同じクラスIDを用いているため、エクスプローラのナビゲーションウィンドウでも、同項目を残してしまうケアレスミスが残ってしまったのでしょう(図01~02)。
さて、ナビゲーションウィンドウの<ホームグループ>リンクを削除する方法は2つあります。1つめは、NameSpaceキー下に並ぶクラスIDを操作する方法。まずは[Win]+[R]キーで「ファイル名を指定して実行」を表示してから「regedit」を実行します。レジストリエディタが表示しましたら、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ Desktop \ NameSpaceキーまでたどって開いてください。次に{B4FB3F98-C1EA-428d-A78A-D1F5659CBA93}キーを選択した状態で<ファイル>メニューから<エクスポート>を選択します。「レジストリファイルのエクスポート」ダイアログが表示したら、任意のファイル名を付けて<保存>ボタンをクリックしてください。これでバックアップが完了しました(図03~図05)。
続いて{B4FB3F98-C1EA-428d-A78A-D1F5659CBA93}キーを右クリックし、メニューから<削除>を選択します。確認をうながすダイアログが表示したら<はい>ボタンをクリックして、キーを削除しましょう。後は変更内容をシステムに反映させるため、Windows 7に再ログオンしてください。これでエクスプローラのナビゲーションウィンドウから<ホームグループ>が削除されます(図06~08)。
図07: 確認をうながすダイアログが表示されますので、<はい>ボタンをクリックします |
図08: レジストリエディタを終了し、Windows 7へ再ログオンします。<スタート>メニューを開き、矢印ボタンを押して、メニューから<ログオフ>をクリックしてください |
もう1つの方法はCLSIDから直接操作する方法。こちらは前回の記事でも紹介したアクセス権の変更が必要となりますのでご注意ください。今度はAdministrators権限を持つアカウントを使用し、[Win]+[R]キーで「ファイル名を指定して実行」を表示してから「regedit」を実行します。レジストリエディタが表示しましたら、HKEYCLASSESROOT \ CLSID \ {B4FB3F98-C1EA-428d-A78A-D1F5659CBA93}までキーをたどって開いてください。次に{B4FB3F98-C1EA-428d-A78A-D1F5659CBA93}キーを右クリックし、メニューから<アクセス許可>を選択して、プロパティダイアログが表示したら、<詳細設定>ボタンをクリックします(図09~11)。
図10: レジストリエディタを表示し、HKEYCLASSESROOT \ CLSID \ {B4FB3F98-C1EA-428d-A78A-D1F5659CBA93}までキーをたどって開いたら、{B4FB3F98-C1EA-428d-A78A-D1F5659CBA93}を右クリックして、メニューから<アクセス許可>をクリックします |
すると「~のセキュリティの詳細設定」ダイアログが表示しますので、<所有者>タブから{B4FB3F98-C1EA-428d-A78A-D1F5659CBA93}キーの所有者を変更しましょう。初期状態では「TrustedInstaller」になっていますので、<Administrators>グループを選択してから<OK>ボタンをクリックしてください。すると元のプロパティダイアログに戻りますので、先ほど所有者に変更した<Administrators>グループを選択してから、「フルコントロール」に並ぶ「許可」のチェックボックスを有効にしましょう。設定を反映させるため、<OK>ボタンをクリックしてください(図12~13)。
これでレジストリエディタから、{B4FB3F98-C1EA-428d-A78A-D1F5659CBA93}キーの操作が可能になりました。次にShellFolderキーを開き、右ペインにある文字列値「PinToNameSpaceTree」を右クリックして、メニューから<削除>を選択します。確認をうながすダイアログが表示したら<はい>ボタンをクリックして削除を実行しましょう。後はレジストリエディタを終了し、Windows 7に再ログオンすればチューニング完了です(図14~16)。
図14: {B4FB3F98-C1EA-428d-A78A-D1F5659CBA93}\ShellFolderキーを開き、右ペインの「PinToNameSpaceTree」を右クリックして、メニューから<削除>をクリックします |
手順だけ見ると前者の方が簡単ですが、前回の記事のようにナビゲーションウィンドウのリンクをチューニングする場面が多い場合、後者の操作を一度行なった方が、文字列値「PinToNameSpaceTree」だけで操作できるため簡単でしょう。なお、図04~05で行なったレジストリ内容のバックアップを復元するには、レジストリファイルをダブルクリックし、確認をうながすダイアログが表示したら<はい>ボタンをクリックしてください。<OK>ボタンをクリックした後、変更内容をシステムに反映させるため、Windows 7に再ログオンすれば、ナビゲーションウィンドウの<ホームグループ>リンクが復活します(図17~18)。
今回は誌面が尽きてしまいましたので、ホームグループを無効にするチューニングは次回お送りします。それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)