こんにちは、阿久津です。2020年春のGA(一般提供)を目指して開発が進む「Windows Terminal」ですが、バージョン0.9で待望のコマンドライン引数をサポートしました。

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    左ペインでコマンドプロンプト、右上ペインでDebian GNU/Linux、右下ペインでWindows PowerShellを起動した状態

この仕組みは少々面白く、実行ファイルである「wt.exe」は「%LOCALAPPDATA%¥Microsoft¥WindowsApps」フォルダーに存在しますが、ファイルサイズは0バイト。これはWindows 10でアプリケーションを実行する際のエイリアス(別名)を付与する「アプリ実行エイリアスを使用しているためです。

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    「%LOCALAPPDATA%¥Microsoft¥WindowsApps」フォルダーの内容

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    Windows Terminalを起動する「wt.exe」はアプリ実行エイリアスとして登録されています

さて、wt.exeはタブを選択する「focus-tab」やペインを分割する「split-pane」など複数のコマンドライン引数を備えるようになりました。注目したいのは、カレントフォルダーをWindows Terminalに渡す「-d(--startingDirectory)」です。この引数を使えば、コマンドプロンプトやWindows PowerShellのように、カレントフォルダーを指定してWindows Terminalを起動できます。今回はこのオプションを使って、Windows Terminalをカレントフォルダーで起動するチューニングをお送りしましょう。

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    wt.exeの主なコマンドライン引数

  1. Launch-WindowsTerminal.zip」をダウンロードして展開します。
  2. 「Launch-WindowsTerminal.reg」ファイルをテキストエディターで開き、「HKEY_CLASSES_ROOT¥Directory¥Background¥shell¥WT¥command」の既定値をご自身の環境に合わせて変更します。
  3. 管理者権限で「Launch-WindowsTerminal.reg」をダブルクリックして結合します。

基本的には、他のコマンドラインツールと同じレジストリエントリーを使って作成しました。上記の「2.」を補足すると、wt.exeはフルパスで記述しないと起動できないため、お手数ですがユーザーパスをご自身の環境に合わせて書き換えてください。以下、「Launch-WindowsTerminal.reg」の「kaz」部分です。

@="C:¥¥Users¥¥kaz¥¥AppData¥¥Local¥¥Microsoft¥¥WindowsApps¥¥wt.exe -d ¥"%V¥""

完了したら、任意のフォルダーやデスクトップで「Shift」キーを押しながらコンテキストメニューを開くと現れる「Windows Terminalをここで開く」を選択すれば、Windows Terminalが指定したフォルダーをカレントフォルダーとして起動します。

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    コンテキストメニューの「Windows Terminalをここで開く」を選択すれば、Windows Terminalが選択したフォルダーをカレントフォルダーとして起動します

本チューニングを破棄する場合は、「HKEY_CLASSES_ROOT¥Directory¥Background¥shell¥WT」キーを削除してください。それでは、また次回お目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)