こんにちは、阿久津です。現在テスト中のWindows 10 Insider Previewには、タイムラインなどと同じロジックでクリップボードの内容を異なるPC間で同期する「クリップボード履歴」機能が加わる予定です。
クリップボード履歴の有無は、「設定」に加わった<システム/クリップボード>の設定項目から制御しますが、今回はレジストリから同機能を制御するチューニングを紹介しましょう。
2. HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Clipboardキーを開きます。
3. DWORD値「EnableCloudClipboard」のデータを「0」に変更します。
4. レジストリエディターを終了させます。
以上でチューニング完了です。結果を確認してみましょう。「設定」の<システム/クリップボード>を開きますと、「デバイス間で同期する」のスイッチがオフになったことが分かります。
DWORD値「EnableCloudClipboard」は、「デバイス間で同期する」のスイッチと連携し、スイッチオフ時のデータは「0」、スイッチオン時は「1」となります。ちなみにDWORD値「EnableClipboardHistory」は「複数の項目を保存」の設定情報を格納し、スイッチオフ時はデータが「0」、スイッチオン時は「1」と同じくロジックで設定情報を保持します。
また、DWORD値「CloudClipboardAutomaticUpload」は「自動同期」の設定情報を格納し、<コピーしたテキストを自動的に同期しない>選択時のデータは「0」、<コピーしたテキストを自動的に同期する>選択時のデータは「1」とシンプルな構成です。
クリップボード履歴に対しては、「自身のコピペ履歴がネット上に晒(さら)されるから使いたくない」といった意見をお持ちの方をお見かけしました。確かに個人を特定する情報が外部に漏洩(ろうえい)するのは好ましくありません。
ただ、MicrosoftはWeb上でプライバシーポリシーを明確にしており、クラウドベンダーが提示すべき説明責任は一定レベルで果たしています。他方で、個人情報の活用に抵抗するのは、エンドユーザーとしての利益を損ねる一面もあります。
どちらが正しいかは個人の方針によって異なり、筆者が述べるのはあくまで私見です。今回、一定数おられるプライバシー情報のクラウドシフトを避けたい方に向けて、本チューニングを紹介しました。トレードオフにあたる機能と情報の保護、どちらを優先すべきか判断し、本チューニングを適用してください。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)