こんにちは、阿久津です。Windows 10にはエクスプローラーの左側にあるナビゲーションウィンドウに「クイックアクセス」が加わりました。使用頻度の高いフォルダーやファイルへのアクセスを容易にする特殊フォルダーですが、必ずしも使いやすいものではありません。
キーボードフォーカスがナビゲーションウィンドウにある場合、「OneDrive」なら[O]キー→[Enter]キーと順に押せば移動します。しかしクイックアクセスに移動するため、IMEをオンにしてから「ク」を入力して[Enter]キーを押すのは面倒ではないでしょうか。
そこで今回は、エクスプローラーのナビゲーションウィンドウにある「クイックアクセス」を、好みの文字列に変更するチューニングをご紹介します。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\CLSID\{679f85cb-0220-4080-b29b-5540cc05aab6}キーを開きます。
3. 同キーのアクセス許可設定を変更します。
4. 同キーに文字列値「LocalizedString」を作成し、データを「Quick Access」などに変更します。
5. HKEY_CURRENT_USER\CLSID\{679f85cb-0220-4080-b29b-5540cc05aab6}\ShellFolderキーを開きます。
6. DWORD値「Attributes」のデータを「b080010d」に変更します。
7. DWORD値「FolderValueFlags」のデータを「00042220」に変更します。
8. HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\HideDesktopIcons\NewStartPanelキーを開きます。
9. DWORD値「{679f85cb-0220-4080-b29b-5540cc05aab6}」を作成し、データを「1」に変更します。
10. レジストリエディターを終了します。
11. エクスプローラーを再起動します。
これで操作が完了しました(図01~23)。
図16 HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\HideDesktopIcons\NewStartPanelキーを開きます |
それでは結果を確認しましょう。エクスプローラーを起動しますと、ナビゲーションウィンドウの「クイックアクセス」が「Quick Access」に変更されました。この状態で[Q]キー→[Enter]→キーと順に押せば、<Quick Access>を開くことができます(図24)。
以前の記事でも紹介したように、「{679f85cb-0220-4080-b29b-5540cc05aab6}」はクイックアクセスのGUID。ここに文字列値「LocalizedString」を作成することで、表示名を変更しています。ステップ6~7の各DWORD値は他のエントリーを参考に修正しました。ステップ8~9の操作は、デスクトップにクイックアクセスのアイコンが現れないようにするための抑止設定です。ちなみに、HKEY_CURRENT_USER\CLSID{679f85cb-0220-4080-b29b-5540cc05aab6}\ShellFolder\DefaultIconキーを作成し、「(既定)」のデータでアイコンリソースを指定すれば、表示するアイコンも変更できます。
ただ、本チューニングでは意図しない動作が確認されました。下図に示したようにナビゲーションウィンドウには、2つのクイックアクセスが並ぶことがあります。両者とも正しく動作し、表示内容を更新しますと消えるため、ステップ6~7で行っているデータの調整が必要なのかもしれません。確実な答えが見つかったら本連載で紹介します(図25)。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)