こんにちは、阿久津です。Windows 10上で動作するアプリケーションやサービスは、「プロセス」という概念で稼働しています。普段から意識する必要はありませんが、「タスクマネージャー」から各プロセスに割り振られたIDである「PID(Process ID)」を確認できます(図05)。

図05 「タスクマネージャー」の<詳細>タブでは、各プロセスを示すPIDが確認できます

コマンドラインからタスクを終了させる「Taskkill.exe」で、「/PID」オプションからプロセスIDを指定してきた方も中にはいるでしょう。しかし、ちょっとコマンドラインからプロセスの操作を行うワンライナーを実行する際は、稼働しているアプリケーションのプロセスIDがひと目でわかると便利ではないでしょうか。そこで今回はエクスプローラーにプロセスIDを示す文字列を追加するチューニングを紹介します。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorerキーを開きます。
3. DWORD値「ShowPidInTitle」を作成し、データを「1」に変更します。
4. レジストリエディターを終了します。
5. エクスプローラーを再起動します。

これで操作が完了しました(図06~14)。

図06 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図07 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorerキーを開きます

図08 Explorerキーを開き、右ペインの何もないところを右クリックし、<新規>→<DWORD値>と順にクリックします

図09 「新しい値#1」を「ShowPidInTitle」に変更します

図10 DWORD値「ShowPidInTitle」をダブルクリックで開き、データを「1」に書き換えてから、<OK>ボタンをクリックします

図11 レジストリエディターを終了します

図12 タスクバーの何もないところを、[Ctrl]+[Shift]キーを押しながら右クリック。メニューの<エクスプローラーの終了>をクリックします

図13 [Ctrl]+[Shift]+[ESC]キーを押して「タスクマネージャー」を起動し、<ファイル>メニュー→<新しいタスクの実行>と順にクリックします

図14 テキストボックスに「explorer」と入力して、<OK>ボタンをクリックします

それでは結果を確認しましょう。タスクマネージャーはそのままに、[Win]+[E]キーを押すなどしてエクスプローラーを起動してください。するとタイトルバーに現在のプロセスIDを示す文字列が加わります。タスクマネージャーの<詳細>タブで確認できるプロセスIDと同じ数値が表示されているはずです(図15)。

図15 エクスプローラーを起動しますと、タイトルバーに現在のプロセスIDが表示されます

本機能はWindows 10 バージョン1607に加わった機能で、キー名からもわかるようにエクスプローラー限定の機能です。そのため「メモ帳」など他のアプリケーションを起動しても、プロセスIDを示す文字列は加わりません。

また、エクスプローラーの詳細設定を行う「フォルダーオプション」には、<別のプロセスでフォルダーウィンドウを開く>という設定項目が用意されていますが、こちらを有効にしてもプロセスの分離は行われず、筆者が試した限りではエクスプローラー自体が終了してしまう現象が確認できました。そのため本チューニングを有効にする際は、同設定項目は無効のままお使いください。

以下余談ですが、マウスコンピューターからWindows Helloに対応した顔認証カメラ「CM01」が発売されました。筆者は以前からSurface Pro 4などで顔認証によるサインインを使っていたため、デスクトップPCでも同じ環境を実現できるCM01に注目していました(図01)。

図01 デスクトップPCなどでも顔認証によるサインインが可能になる「CM01」。価格は7,980円(税別)

デバイスドライバーのインストールに難儀したり (ドライバーを再インストールすることで解決)、認識精度を高める処理を行う際、カメラの内容が表示されないといった紆余曲折はありましたが、デスクトップPCからも顔認証によるサインインできるようになりました。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)