こんにちは、阿久津です。数カ月前から原稿執筆&プライベート用PCをWindows 7 RC版に切り替え、検証を続けてきましたが、今ではほとんど違和感なく使えるようになりました。今週末にはMSDN/Technetで公開、と巷で噂されているRTM版も待ち遠しく、OSの再インストールやアプリケーションの際セットアップの煩雑さも忘却の彼方。一日千秋の思いで待っています。

しかし、その一方で恋しくなるのがコマンドラインによる操作。最近はWindows 7関係にかかりっきりで、Linux Boxに接続するターミナルエミュレータを起動する機会も少なくなり、ましてスクリプトを書く場面も皆無。もっとも筆者のスクリプトコードは、必要に迫られて書いているため、それだけコンピュータ環境が充実していることの裏返しなのかもしれません。

そこで思い出すのが、コマンドプロンプトの存在。こちらはターミナルエミュレータと違って使用頻度は比較的高いのですが、いくつか気になる箇所がちらほらと。そのひとつがIMEの存在です。Windows OS上では[半角/全角]キーひとつでIMEのオン/オフを切り替えられますが、コマンドプロンプト上では[Alt]+[半角/全角]キーを押さなくてはなりません。

もちろん後者が歴史的に見て正しいことは重々承知していますが、最近では前者のワンキーに慣れてしまい、希に操作ミスしてしまうことも。そこで今回は、コマンドプロンプト上のIMEを無効にするチューニングから紹介します。

コマンドプロンプトのIMEを無効にする

クイック検索やファイル名を指定して実行などから「regedit」を実行してレジストリエディタを起動し、HKEY_CURRENT_USER \ Consoleまでキーをたどって開きます。右ペインのDWORD値「LoadConIme」をダブルクリックで開き、値のデータを「0」に書き換えてから<OK>ボタンをクリックします。[F5]キーを押して変更内容をシステムに反映させてから、レジストリエディタを終了すれば、チューニング完了です(図01~04)。

図01: 「ファイル名を指定して実行」や「クイック検索」のテキストボックスに「regedit」と入力して[Enter]キーを押します

図02: HKEY_CURRENT_USER \ Consoleまでキーをたどって開き、右ペインにあるDWORD値「LoadConIme」をダブルクリックします

図03: 値のデータを「0」に書き換え、<OK>ボタンをクリックします

図04: 設定を終えたら[F5]キーで変更内容をシステムに反映されてから、レジストリエディタを終了します。

それではコマンドプロンプトを起動し直してみましょう。プログラムメニューからたどるのが面倒な場合は、クイック検索やファイル名を指定して実行などから「cmd」を実行してください。この状態で[Alt]+[半角/全角]キーを押してもIMEが起動しないことを確認します。無反応であればチューニング成功です(図05)。

図05: 先ほどまでは[Alt]+[半角/全角]キーで起動していたIMEですが、コマンドプロンプトを起動し直すと同ショートカットキーを押してもIMEが起動しなくなります

Windows Vistaの各フォルダはエクスプローラから見ますと、片仮名や漢字を用いたフォルダ名が付けられていますが、実体はすべて英語。あくまでもDesktop.iniファイルを用いて使用言語の名称を用いているに過ぎません(詳しくはバックナンバー参照)。コマンドプロンプト起動直後はホームフォルダがカレントとなりますので、「cd Desktop」と実行すれば簡単にデスクトップフォルダを参照できます(図06)。

図06: デスクトップフォルダの「Desktop.ini」ファイルを削除しますと、表示名も「Desktop」になります

もうひとつのチューニングは拡張子の省略範囲を拡大してみましょう。コマンドプロンプトでは、「notepad.exe」を「notepad」として実行できるなど、いくつかの実行形式ファイルの拡張子を省略することが可能です。例えばPerlスクリプトで使われる拡張子「.pl」は、ActivePerlを導入すれば、Windows OSの関連付けによってコマンドラインからスクリプトを実行できますが、拡張子を付けなければ認識されません。そこで、拡張子の省略範囲を拡大するチューニングの出番となるのです。

拡張子の省略範囲を拡大する

クイック検索やファイル名を指定して実行などから「regedit」を実行してレジストリエディタを起動し、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SYSTEM \ CurrentControlSet \ Control \ Session Manager \ Environmentまでキーをたどって開きます。右ペインの文字列値「PATHEXT」をダブルクリックで開き、値のデータの末尾に「;.pl」と追記して<OK>ボタンをクリックします。レジストリエディタを終了し、Windows Vistaに再ログオンすれば、チューニング完了です(図07~09)。

図07: 「ファイル名を指定して実行」や「クイック検索」のテキストボックスに「regedit」と入力して[Enter]キーを押します

図08: HKEY_LOCAL_MACHINE \ SYSTEM \ CurrentControlSet \ Control \ Session Manager \ Environmentまでキーをたどって開き、右ペインにある文字列値「PATHEXT」をダブルクリックで開きます

図09: 値のデータの末尾に「;.pl」と追記して<OK>ボタンをクリックします。後はレジストリエディタを終了し、Windows Vistaに再ログオンしてください

カンの良い方はお気づきのとおり、~Environmentキーは「システムの環境変数」で設定する環境変数名が並びます。GUIから操作してもレジストリから操作しても再ログオンしないと有効にならない点では同じですので、お好きな手順をお選びください。チューニング後は「set pathext」と実行して環境変数「PATHEXT」の内容を確認し、チューニングの結果が反映されているようであれば、拡張子を付けずにスクリプトを実行してください。正しく実行されればチューニング成功です(図10)。

図10: コマンドプロンプトを起動し、「set pathext」と実行して拡張子が追加されていれば、拡張子を付けずにスクリプトを実行できます

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)