こんにちは、阿久津です。Windows 10には3Dプリンターで造形を行うためのUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーション「3D Builder」が用意されています。しかし、3Dプリンターを所有していない多くの個人ユーザーにとっては、3D Builderを使う機会は極めて少ないでしょう(図01~02)。
一部画像ファイルのコンテキストメニューに並ぶ<3D Builderによる3D印刷>という項目は、Windows 10 バージョン1511では存在せず(図03)、Windows 10 Anniversary Updateを適用したバージョン1607から新たに加わりました。Microsoftとしては3D Builderをアピールするために、このような変更を加えたのでしょう。
そこで今回は、<3D Builderによる3D印刷>を取り除くチューニングを紹介しましょう。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CLASSES_ROOT\SystemFileAssociations\.bmp\Shellキーを開きます。
3. T3D Printキーを削除します。
4. HKEY_CLASSES_ROOT\SystemFileAssociations\.jpg\Shell\T3D Printキーを削除します。
5. HKEY_CLASSES_ROOT\SystemFileAssociations\.png\Shell\T3D Printキーを削除します。
6. レジストリエディターを終了します。
これで操作が完了しました(図04~12)。
それでは結果を確認してみましょう。BMPまたはJPEG、PNG形式の画像ファイルを右クリックして、<3D Builderによる3D印刷>が表示されなければ成功です(図13)。
筆者が確認したところ、3D Builderを呼び出すためのDelegateExecute「1A68CF90-753A-4523-A4A4-40CAB4BC6EFF」は、BMP、JPG、PNGの拡張子で定義されていました。今回のチューニングではこれらを呼び出すシェルを取り除いています。
3Dプリンターを購入するなどして、コンテキストメニューに項目を復活させたい場合は、下記の内容をもとにレジストリファイルを作成し、レジストリエントリーを追加してください (図14)。
Windows Registry Editor Version 5.00
[HKEY_CLASSES_ROOT\SystemFileAssociations\.bmp\Shell\T3D Print]
@="@%SystemRoot%\\\\system32\\\\PrintDialogs3D.dll,-5039"
[HKEY_CLASSES_ROOT\SystemFileAssociations\.bmp\Shell\T3D Print\Command]
"DelegateExecute"="{1A68CF90-753A-4523-A4A4-40CAB4BC6EFF}"
[HKEY_CLASSES_ROOT\SystemFileAssociations\.jpg\Shell\T3D Print]
@="@%SystemRoot%\\\\system32\\\\PrintDialogs3D.dll,-5039"
[HKEY_CLASSES_ROOT\SystemFileAssociations\.jpg\Shell\T3D Print\Command]
"DelegateExecute"="{1A68CF90-753A-4523-A4A4-40CAB4BC6EFF}"
[HKEY_CLASSES_ROOT\SystemFileAssociations\.png\Shell\T3D Print]
@="@%SystemRoot%\\\\system32\\\\PrintDialogs3D.dll,-5039"
[HKEY_CLASSES_ROOT\SystemFileAssociations\.png\Shell\T3D Print\Command]
"DelegateExecute"="{1A68CF90-753A-4523-A4A4-40CAB4BC6EFF}"
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)