こんにちは、阿久津です。Windows 7以降、デスクトップ背景画像のロジックが変更されていることをご存じでしょうか。背景画像に選択された画像は、「%Appdata%\Microsoft\Windows\Themes」フォルダー内にJPEGファイルとして変換され、デスクトップの画面解像度に合わせて保持されます(図01~03)。
図02 背景画像が変更されたら、[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「%Appdata%\Microsoft\Windows\Themes」と入力して<OK>ボタンをクリックします |
図03 「%Appdata%\Microsoft\Windows\Themes」フォルダー内には、「TranscodedWallpaper」ファイルと「CachedFiles」フォルダーが生成されています |
実際に試してみると、Themesフォルダー内には変換した背景画像ファイルを格納する「CachedFiles」フォルダーと「TranscodedWallpaper」ファイルが生成されました。今回使用した元画像ファイルは3,264×2,448ピクセルですが、CachedFilesフォルダー内にある「CachedImage_1366_768_POS4.jpg」は1,366×768ピクセル。デスクトップの画面解像度に合わせてリサイズされていました。
CachedImage_1366_768_POS4.jpgの圧縮率を「JpegAnalyzer Plus」というフリーソフトウェアで確認したところ、JPEG品質は「90」でした。また、TranscodedWallpaperファイルは拡張子こそありませんが、内容はJPEGファイルです。こちらにも拡張子をつけて内容を確認したところ、大きさは1,920×1,440ピクセル。JPEG品質は「85」でした。同ファイルの存在意義は確認できませんが、ファイル名から察するに変換された背景画像ファイルであることは確かでしょう(図04)。
こちらのサイトではMicrosoftのzachd氏が、「Windows 10では、85%の品質値が用いられる」と説明しています。強制的にTranscodedWallpaperファイルを削除すると、背景画像が表示されなくなったので、TranscodedWallpaperファイルから画面解像度に合わせたキャッシュファイルを生成して背景画像を表示する仕組みなのでしょう。
そこで、今回はJPEG画像品質をレジストリ上から調整するチューニングを紹介しましょう。ポイントは85%という数値です。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktopキーを開きます。
3. DWORD値「JPEGImportQuality」を作成し、データを10進数の「100」に変更します。
4. レジストリエディターを終了します。
これで操作が完了しました(図05~10)。
それでは結果を確認してみましょう。下図はチューニング前・後のTranscodedWallpaperをリネームしたプロパティダイアログですが、チューニング前は533KB。チューニング後は圧縮率が変化したらしく2.03MBとなりました。(図11~12)。
試しにDWORD値「JPEGImportQuality」のデータを「30」にして、TranscodedWallpaperのファイルサイズを確認したところ290KBまで軽減されました。先のJpegAnalyzerによるとJPEG品質は「60」でしたから、DWORD値「JPEGImportQuality」で設定する意味のある数値は「60~100」と思われます(図13~14)。
JPEG品質を初期状態に戻す場合は、DWORD値「JPEGImportQuality」を削除してください。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)