こんにちは、阿久津です。2016年8月2日のリリースを予定しているWindows 10 Anniversary Updateは、数多くの新機能を備えています。なかでも特徴的なのはデスクトップをキャンバス化する「Windows Inkワークスペース」でしょう。タッチ操作やデジタルペンで、デスクトップにイラストやメモを書き残せるため、PCの利用スタイルが大きく変わります(図01)。

図01 PCをスケッチブック化する「Windows Inkワークスペース」の「スケッチパッド」

とはいえ恩恵を受けるのは、タッチ機能やデジタルペンをサポートするデバイスのみ。対応状態はコントロールパネルの「システム」にある「ペンとタッチ」の記述で確認できますが、デスクトップPCやタッチパネル非搭載のノートPCでは、Windows Inkワークスペースを使う場面はありません。そこで今回はWindows 10 Insider Previewを例に、Windows Inkワークスペースをレジストリから無効にするチューニングをご紹介します(図02~03)。

図02 コントロールパネルの「システム」から「ペンとタッチ」の項目を確認します。こちらはデスクトップPCのため、各機能は利用できません

図03 こちらは2-in-1 PCの場合。タッチ機能やデジタルペンに対応していれば、図のようなメッセージが表示されます

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\WindowsInkWorkspaceキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. DWORD値「AllowWindowsInkWorkspace」を作成します。
4. レジストリエディターを終了します。

これで操作が完了しました(図04~10)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoftキーを開きます

図06 Microsoftキーを右クリックし、<新規>→<キー>と順にクリックします

図07 キー名を「新しいキー #1」から「WindowsInkWorkspace」に変更します

図08 WindowsInkWorkspaceキーを開き、右ペインの何もないところを右クリックして、<新規>→<DWORD値>と順にクリックします

図09 値名を「新しい値 #1」から「AllowWindowsInkWorkspace」に変更します

図10 レジストリエディターを終了します

それでは結果を確認しましょう。タスクバーのコンテキストメニューを開きますと、それまで選択可能だった<Windows Inkワークスペースボタンを表示>がグレーアウトし、選択できなくなります。また、Windows Inkワークスペースを呼び出すショートカットキー[Win]+[W]キーも反応しません(図11~12)。

図11 こちらはチューニング前の状態。タスクバーの何もないところを右クリックして、<タスクビューボタンを表示>を選択できます

図12 チューニング後は<タスクビューボタンを表示>がグレーアウトし、選択できなくなります

特にショートカットキーの無効化は、Windows Inkワークスペースを呼び出しても使えないデスクトップPC利用者や、別の機能として同じショートカットキーを使用している方には有用でしょう。なお、本チューニングを破棄するには、DWORD値「AllowWindowsInkWorkspace」を削除します。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)