こんにちは、阿久津です。最近はUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションを意識的に使うようにしていますが、すべてを置き換えることはできません。フォトレタッチソフトやテキストエディター、本連載では欠かせないレジストリエディターも皆、Win32アプリケーションです。

そんなことを徒然と考えていたところで思い当たったのがコモンダイアログの存在でした。コモンダイアログとは「ファイル(フォルダー)を開く」「名前を付けて保存」といったファイルやフォルダーを操作するためのダイアログです(図01)。

図01 Win32アプリケーションでは欠かせないコモンダイアログ

ダイアログボックスのサイズや表示形式などはユーザーの使い勝手に応じて変更でき、そのカスタマイズ結果は保存されます。ただし、<キャンセル>ボタンを押した場合は保存されません。

カスタマイズ内容はファイルタイプごとに保存され、HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\ComDlg32\OpenSavePidlMRUキーに拡張子別のサブキーと、バイナリ値として記憶されます(図02)。

図02 コモンダイアログの表示内容を保存するOpenSavePidlMRUキー。テキストファイルの場合、txtキー下で内容を管理します

残念ながらコモンダイアログを既定値に戻すUIは用意されません。UWP化が進むWindows 10の場合、今後もサポートされることはないでしょう。そこで今回はレジストリからコモンダイアログの設定をリセットするチューニングをお送りします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorerキーを開きます。
3. ComDlg32キーを削除します。
4. レジストリエディターを終了します。

これで操作が完了しました(図03~07)。

図03 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorerキーを開きます

図05 ComDlg32キーを右クリックし、<削除>をクリックします

図06 確認をうながすダイアログが現れたら、<はい>ボタンをクリックします

図07 レジストリエディターを終了します

それでは結果を確認しましょう。「メモ帳」など任意のアプリケーションを起動し、[Ctrl]+[O]キーを押してコモンダイアログを呼び出してください。すると、サイズや表示形式がリセットされた状態で現れます(図08)。

図08 アプリケーションのコモンダイアログが、表示設定がリセットされた状態で現れます

いちいちレジストリエディターから操作するのを面倒に感じる場合は、下図のようなレジストリファイルを作成しましょう。確認をうながすダイアログの応答が必要ながらもダブルクリックで、ComDlg32キーを含むサブキーをまとめて削除できます(図09)。

図09 レジストリファイルから削除する場合は、このような記述を行います

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)