こんにちは、阿久津です。Windows 10のサインイン画面では、ネットワーク接続や電源操作を行うボタンに加えて、ナレーターや拡大鏡を起動するボタンを用意していますが、それが不要な方もいるでしょう(図01)。

図01 Windows 10のサインイン画面から起動可能な「コンピューターの簡単操作」

そこで今回はサインイン画面から起動可能な「コンピューターの簡単操作」をタスクマネージャーに置き換えるチューニングをご紹介します。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\utilman.exeキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. 文字列値「Debugger」を作成し、データを「C:\Windows\System32\taskmgr.exe」に変更します。
4. レジストリエディターを終了します。
5. Windows 10に再サインインします。

これで操作が完了しました(図02~10)。

図02 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図03 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Optionsキーを開きます

図04 Image File Execution Optionsキーを右クリックし、<新規>→<キー>と順にクリックします

図05 キー名を「新しいキー #1」から「utilman.exe」に変更します

図06 utilman.exeキーを開いて右ペインを右クリックし、<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図07 値名を「新しい値 #1」から「Debugger」に変更します

図08 文字列値「Debugger」をダブルクリックし、データを「C:\Windows\System32\taskmgr.exe」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図09 レジストリエディターを終了します

図10 スタートメニューのユーザーアイコンから、<サインアウト>をクリックします

それでは結果を確認しましょう。サインイン画面の<コンピューターの簡単操作>ボタンをクリックしますと、タスクマネージャーが起動します(図11)。

図11 <コンピューターの簡単操作>ボタンから、タスクマネージャーが起動します

今回のチューニングはWindows上でVisual Studioなどを起動するデバッガーロジックを利用し、タスクマネージャーを起動しています。ステップ3で作成した文字列値「Debugger」のデータを必要に応じて、コマンドプロンプト(C:\Windows\System32\cmd.exe)などお好みのプログラムを指定しましょう(図12)。

図12 文字列値「Debugger」の内容をコマンドプロンプトに変更した状態。システムアカウントが使用されていることが確認できます

ただし、本チューニングは「utilman.exe」の代わりに「taskmgr.exe」を起動するよう置換されるため、サインインした状態でutilman.exeを実行すると「要求された操作には管理者特権が必要です」というメッセージが現れ、起動できません(図13~14)。

図13 通常は「utilman.exe」を実行すると「設定」の<ナレーター>が開きます

図14 「utilman.exe」を実行すると図のようなメッセージが現れます

このような弊害もありますので、ロジックを理解したうえでお試しください。このチューニングを破棄する場合は、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\utilman.exeキーを削除して、Windows 10へ再サインインします。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)