こんにちは、阿久津です。Windows 10でもファイルやフォルダーの操作に関しては、エクスプローラーに頼る必要があります。Windows 8以降のエクスプローラーではアクションの増加や多様な操作性を維持するため、「リボン」というGUIを導入しましたが、コンテキストメニューやショートカットキーを使うユーザーにとっては不便になりました。

例えば、エクスプローラーの<ホーム>タブには<移動先><コピー先>というボタンが加わりましたが、コンテキストメニューには同様の項目を用意していません(図01)。

図01 エクスプローラーのリボンに並ぶボタン。意外と便利な機能が用意されていることに気付かされます

ところが、リボンから呼び出せる機能の多くはGUID(グローバル一意識別子)で管理しており、ContextMenuHandlersキーはそのままGUIDを使用して機能を直接呼び出していることをご存じでしょうか。

例えば、実行形式ファイルなどを右クリックして<スタートメニューにピン留めする>を選択すると、「{A2A9545D-A0C2-42B4-9708-A0B2BADD77C8}」が呼び出されます。そこで今回はリボンの<移動先><コピー先>ボタンをコンテキストメニューに追加するチューニングを紹介しましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CLASSES_ROOT\AllFilesystemObjects\shellex\ContextMenuHandlers\{C2FBB630-2971-11D1-A18C-00C04FD75D13}キーを作成します。
3. HKEY_CLASSES_ROOT\AllFilesystemObjects\shellex\ContextMenuHandlers\{C2FBB631-2971-11D1-A18C-00C04FD75D13}キーを作成します。
4. レジストリエディターを終了します。

これで操作が完了しました(図02~08)。

図02 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図03 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\AllFilesystemObjects\shellex\ ContextMenuHandlersまでキーをたどって開きます

図04 ContextMenuHandlersキーを右クリックし、<新規>→<キー>と順にクリックします

図05 キー名を「新しいキー #1」から「{C2FBB630-2971-11D1-A18C-00C04FD75D13}」に変更します

図06 再びContextMenuHandlersキーを右クリックし、<新規>→<キー>と順にクリックします

図07 キー名を「新しいキー #1」から「{C2FBB631-2971-11D1-A18C-00C04FD75D13}」に変更します

図08 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

早速結果を確認してみましょう。任意のファイルやフォルダーを右クリックすると、<フォルダーへコピー><フォルダーへ移動>という項目が加わったことを確認できるはずです(図09)。

図09 コンテキストメニューに<フォルダーへコピー><フォルダーへ移動>が現れます

前述のとおり、<フォルダーへコピー>は「{C2FBB630-2971-11D1-A18C-00C04FD75D13}」、<フォルダーへ移動>は「{C2FBB631-2971-11D1-A18C-00C04FD75D13}」というGUIDが割り当てられているため、このようなチューニングが可能になりました。他の機能も同様にコンテキストメニューから呼び出せますので、ご興味のある方は色々とお試しください。

なお、本チューニングを破棄する場合は、HKEY_CLASSES_ROOT\AllFilesystemObjects\ shellex\ContextMenuHandlers{C2FBB630-2971-11D1-A18C-00C04FD75D13}キーおよび、HKEY_CLASSES_ROOT\AllFilesystemObjects\shellex\ ContextMenuHandlers{C2FBB631-2971-11D1-A18C-00C04FD75D13}キーを削除してください。チューニング時と同じくエクスプローラーの再起動や再サインインは不要です。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)