こんにちは、阿久津です。Windows 10におけるサードパーティ製IME使用時に発生する問題に関して、日本マイクロソフトから「アンインストール&再インストールすると改善します」との説明が公開されました。
筆者のWindows 10環境でもATOK 2015 for Windowsを使用していますが、検索ウィンドウで日本語入力できない問題には遭遇していません。ただし、削除できないレジストリエントリーやコンテキストメニューの誤動作などが発生したため、一度Windows 10をクリーンインストールし直しています。
さて、Windows 10においてもファイルやフォルダーに対するアクセス許可や所有者の設定は、プロパティダイアログの<セキュリティ>タブや、「~のセキュリティの詳細設定」ダイアログで操作します。しかし、操作が煩雑になるため以前の連載では、コンテキストメニューから「takeown.exe」や「icacls.exe」を呼び出して、所有権を取得するチューニングを紹介しました。
しかし、所有者をAdministratorsグループ以外に設定する場合や、柔軟なアクセス許可エントリーを行う場面には使えません。そこで今回は「~セキュリティの詳細設定」ダイアログを呼び出す項目をコンテキストメニューに追加するチューニングを紹介しましょう。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\*\shellキーを開きます。
3. サブキーとして「Windows.RibbonPermissionsDialog」を作成します。
4. 作成したキーを開いて、文字列値「ExplorerCommandHandler」を作成したら、データを「{E2765AC3-564C-40F9-AC12-CD393FBAAB0F}」に変更します。
5. 文字列値「Icon」を作成し、データを「ntshrui.dll,-122」に変更します。
6. 文字列値「Position」を作成し、データを「Bottom」に変更します。
7. ステップ03~06の操作をHKEY_CLASSES_ROOT\Directory\shellキーに適用します。
8. ステップ03~06の操作をHKEY_CLASSES_ROOT\Drive\shellキーに適用します。
9. レジストリエディターを終了します。
これでチューニングが完了しました(図01~16)。
図07 文字列値「ExplorerCommandHandler」をダブルクリックし、データを「{E2765AC3-564C-40F9-AC12-CD393FBAAB0F}」に変更して<OK>ボタンをクリックします |
早速結果を確認してみましょう。任意のファイルやフォルダー、ドライブを右クリックしてください。するとコンテキストメニューに<セキュリティの詳細>が加わったことを確認できます。こちらをクリックすれば「~のセキュリティの詳細設定」ダイアログが起動します(図17~18)。
そもそも「Windows.RibbonPermissionsDialog」はリボン用コマンドとして、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CommandStore\shellキー下で定義されたもの。この情報を各shellキーから呼び出しています(図19)。
コンテキストメニューのアイコンが気になる場合はステップ05の手順を取り除いてください。また、本チューニングを破棄する場合は、HKEY_CLASSES_ROOT*\shell\Windows.RibbonPermissionsDialogキー、HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\shell\Windows.RibbonPermissionsDialogキー、HKEY_CLASSES_ROOT\Drive\shell\Windows.RibbonPermissionsDialogキーを削除します。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)