こんにちは、阿久津です。米AmazonがFlashを用いた広告の受け付けを終了することが明らかになりました。すでにリッチなWebコンテンツはHTML5に移行しており、さらにここ数年はAdobe Flash Playerの脆弱性が報じられることも多かったと思います。Adobe Flash Playerは有用なアドオンからセキュリティリスクを抱える存在に転落したようです。

筆者は普段使いのMozilla FirefoxでAdobe Flash Playerを無効にしていますが、たまに古いWebサイトで同アドオンを求められることに出くわす程度。さほど困る場面はありませんが、ニコニコ生放送で政治家の記者会見などを視聴する際のみ、別のWebブラウザーを使っています。もっともiPadで見た方が簡単なため、Webブラウザーを使い分ける必要もなくなってきました。

今や業務利用に必要な方を除けば、Adobe Flash Playerを有効にするメリットは大きくありません。しかし、Windows 8以降はWindows Update経由でAdobe Flash Playerが自動更新されるため、アンインストールできなくなりました。そこで、Windows 10から加わったMicrosoft Edge、そしてInternet Explorer 11(以下、IE 11)を対象に、Adobe Flash Playerを無効にするチューニングをお送りしましょう。

Microsoft Edge編

まずはMicrosoft Edgeですが、GUIから操作する場合は「詳細設定」の<Adobe Flash Playerを使う>のスイッチをオフに切り替えてください(図01~04)。

図01 タスクバー上のボタンなどからMicrosoft Edgeを起動します

図02 <…>ボタン→<設定>と順にクリックします

図03 <詳細設定を表示>ボタンをクリックします

図04 <Adobe Flash Playerを使う>のスイッチをクリックし、「オフ」に切り替えてください

1. Microsoft Edgeを起動中であれば、一度終了します。
2. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
3. レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Classes\ Local Settings\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\AppContainer\Storage\ microsoft.microsoftedge_8wekyb3d8bbwe\MicrosoftEdge\Addonsキーを開きます。
4. DWORD値「FlashPlayerEnabled」を開き、データを「0」に変更します。
5. レジストリエディターを終了します。

これでチューニングが完了しました(図05~08)。

図05 起動中のMicrosoft Edgeを終了させてから、[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動。テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図06 レジストリエディターが起動したら、 HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Classes\ Local Settings\Software\Microsoft\Windows\ CurrentVersion\AppContainer\Storage\ microsoft.microsoftedge_8wekyb3d8bbwe\ MicrosoftEdge\Addonsまで、キーをたどって開きます

図07 DWORD値「FlashPlayerEnabled」をダブルクリックし、データを「0」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図08 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了します

早速結果を確認してみましょう。Adobe Flash Playerのバージョンチェックページにアクセスしてください。下図のように×ボタンが現れればアドオンが動作していないことになります(図09)。

図09 バージョンチェックページなどAdobe Flash Playerを必要とするWebページにアクセスし、Flashコンテンツが再生されないことを確認してください

Internet Explorer 11編

次はIE 11ですが、こちらもGUIとレジストリによる手順を紹介しましょう。IE 11を起動し、「アドオンの管理」からAdobe Flash Playerの実体である「Shockwave Flash Object」を無効にしてください(図10~11)。

図10 <ツール>ボタンをクリックするか、[Alt]+[X]キーを押してメニューを開き、<アドオンの管理>をクリックします

図11 「アドオンの管理」が起動したら「ツールバーと拡張機能」を開いて、ドロップダウンリストから「すべてのアドオン」を選択します。すると「Shockwave Flash Object」が現れますので、こちらを選択してから<無効にする>→<閉じる>と順にボタンをクリックします

1. IE 11を起動中であれば、一度終了します。
2. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
3. レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Ext\CLSIDキーを開きます(ない場合は作成します)。
4. 文字列値「{D27CDB6E-AE6D-11CF-96B8-444553540000}」を作成し、データを「0」に変更します。
5. レジストリエディターを終了します。

これでチューニングが完了しました(図12~21)。

図12 起動中のIE 11を終了させてから、[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図13 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\ Windows\CurrentVersion\Policiesまで、キーをたどって開きます

図14 Policiesキーを右クリックし、<新規>→<キー>と順にクリックします

図15 キー名を「新しいキー #1」から「Ext」に変更します

図16 Extキーを右クリックし、<新規>→<キー>と順にクリックします

図17 キー名を「新しいキー #1」から「CLSID」に変更します

図18 CLSIDキーを開いて右ペインの何もないところを右クリック。<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図19 値名を「新しい値 #1」から「{D27CDB6E-AE6D-11CF-96B8-444553540000}」に変更します

図20 文字列値「{D27CDB6E-AE6D-11CF-96B8-444553540000}」をダブルクリックし、データを「0」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図21 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了します

では、IE 11でもMicrosoft Edgeと同じようにバージョンチェックページにアクセスして結果を確認してみましょう。また、キー名からもわかるようにシステムポリシーとしてShockwave Flash ObjectのクラスIDである「{D27CDB6E-AE6D-11CF-96B8-444553540000}」を登録しているため、「アドオンの管理」から設定を変更できなくなります(図22~23)。

図22 Microsoft Edgeと同じくIE 11でも、バージョンチェックページなどAdobe Flash Playerを必要とするWebページにアクセスして、Flashコンテンツが再生されないことを確認します

図23 チューニング後はポリシー設定でAdobe Flash Playerを無効にしているため、「アドオンの管理」でも設定を変更できなくなります

なお、Adobe Flash Playerを再び有効にするには、Microsoft EdgeではGUIから操作してください。IE 11ではレジストリエディターを起動して文字列値「{D27CDB6E-AE6D-11CF-96B8-444553540000}」を削除するか、Extキー以下をすべて削除してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)