こんにちは、阿久津です。初期のプレビュービルドから振り返ってみますと、「Windows Update」や「Windows Defender」といった優先順位の高いものから始まり、最近のビルドで従来の「個人設定」に相当するいくつかの項目が「パーソナル設定」に展開されました(図01)。

図01 ビルド10056から搭載した「パーソナル設定」。従来の「個人設定」に相当する項目が並びます

しかし、Inside Preview ビルド10074の時点でもコントロールパネルには、多くのアプレットが並んでいる状態のまま。初期プレビュービルドから数えても、移行に伴って消えたのは「Windows Update」に限定されます。

推測すると最終プレビュービルドの時点で移行完了した箇所はコードやアプレットを削除しつつも、RTM(製造工程版)でも結構な数のアプレットを残すのではないでしょうか。開発スケジュールや優先順位を鑑みますと、完全移行は2016年リリースを予定している開発コード名「Redstone」まで残すのかもしれません(図02)。

図02 ビルド10074のコントロールパネル。いまだ多くのアプレットが並びます

さて、コントロールパネルのアプレットから「設定」に移行した項目は、最新のビルド10074にも加わっています。デスクトップのコンテキストメニューに並ぶ<画面の設定>を選択しますと「システム\ディスプレイ」が開き、<個人設定>を選択しますと「パーソナル設定\背景」が開くようになりました(図03)。

図03 ビルド10074のコンテキストメニューに並ぶ項目を選択しますと、コントロールパネルではなく「設定」が開くようになりました

もちろん、背景画像の変更ひとつ取っても「設定」からの操作で事足りますが、Windows 7やWindows 8.xのようにウィンドウベースの操作が好みの方もいるでしょう。そこで今週はコンテキストメニューから以前の背景画像選択機能を呼び出すチューニングをお送りします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shell\Personalize\BackgroundImageキーを作成します。
3. 文字列値「Icon」を作成し、データを「%systemroot%\system32\themecpl.dll,-1」に変更します。
4. 文字列値「Position」を作成し、データを「Bottom」に変更します。
5. 文字列値「MUIVerb」を作成し、データを「背景画像(&I)」に変更します。
6. 文字列値「HideInSafeMode」を作成します。
7. サブキーとして「command」キーを作成します。
8. 文字列値「(既定)」のデータを「rundll32.exe shell32.dll,Control_RunDLL desk.cpl,,@desktop」に変更します。
9. レジストリエディターを終了します。

これでチューニングが完了しました(図04~22)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\ DesktopBackground\Shellまで、キーをたどって開きます

図06 Shellキーを右クリックし、<新規>→<キー>とクリックします

図07 キー名を「新しいキー #1」から「BackgroundImage」に変更します

図08 BackgroundImageキーを開き、右ペインの何もないところを右クリックします。メニューの<新規>→<文字列値>とクリックしてください

図09 値名を「新しい値 #1」から「Icon」に変更してください

図10 文字列値「Icon」をダブルクリックし、データを「%systemroot%\system32\themecpl.dll,-1」に変更してください。最後に<OK>ボタンをクリックします

図11 右ペインの何もないところを右クリックし、<新規>→<文字列値>とクリックします

図12 値名を「新しい値 #1」から「Position」に変更してください

図13 文字列値「Position」をダブルクリックし、データを「Bottom」に変更してください。最後に<OK>ボタンをクリックします

図14 右ペインの何もないところを右クリックし、<新規>→<文字列値>とクリックします

図15 値名を「新しい値 #1」から「MUIVerb」に変更してください

図16 文字列値「MUIVerb」をダブルクリックし、データを「背景画像(&I)」に変更してください。最後に<OK>ボタンをクリックします

図17 右ペインの何もないところを右クリックし、<新規>→<文字列値>とクリックします

図18 値名を「新しい値 #1」から「HideInSafeMode」に変更してください

図19 BackgroundImageキーを右クリックし、<新規>→<キー>とクリックします

図20 キー名を「新しいキー #1」から「command」に変更します

図21 文字列値「(既定)」をダブルクリックし、データを「rundll32.exe shell32.dll,Control_RunDLL desk.cpl,,@desktop」に変更してください。最後に<OK>ボタンをクリックします

図22 最後に<×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

早速結果を確認してみましょう。デスクトップの何もないところを右クリックしますと、コンテキストメニューに<背景画像>という項目が加わったことがわかります。こちらを選択しますと、コントロールパネルの「個人設定\デスクトップの背景」が直接開きました。あとは好みに応じて背景画像を変更してください(図23~24)。

図23 デスクトップの何もないところを右クリックしますと、<背景画像>という項目が加わります

図24 これでコントロールパネルの「個人設定\デスクトップの背景」が開きます

今回のチューニングはWindows 8.xの<個人設定>を実現する、HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shell\Personalizeキーを移植したに過ぎません。ただし、Windows 8.xはGUIDベースで機能を呼び出すDelegateExecuteを使っていますが、Windows 10 Inside Previewではマッチしなかったため、rundll32.exeを使用しました。また、ステップ2で作成するキー名はBackgroundImageでなくても構いません。

今回はビルド10074で動作を確認していますが、今後のビルドで関連コードが削除される可能性があります。その際はBackgroundImageキーごと削除してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)