こんにちは、阿久津です。ここ数回、コンテキストメニューの項目を整理するチューニングをお送りしています。今回はNVIDIAやATIといった、グラフィックスカードのデバイスドライバを導入した際の、コンテキストメニューに表示される項目をターゲットにしましょう。

ここ数年のグラフィックスカード用アプリケーションは、独自設定を行なうためのツールを起動するためのランチャとなる項目を、コンテキストメニューに追加する傾向にあります。もちろんグラフィックスカードを換装し、初期チューニングを行なっている間は便利な機能です。しかし、設定を終え、本格運用の時期に入りますと、同ツールを呼び出す場面も減少し、無用の長物となっているのではないでしょうか。

同項目はデスクトップの何もないところを右クリックしますと、表示されるメニューに挿入されます。このメニューを管理しているのが、「HKEY_CLASSES_ROOT \ Directory \ Background \ shellex \ ContextMenuHandlers」キー。一見しますと、「デスクトップで右クリックするのに、Directoryキーにあるのはおかしい」と感じるかもしれませんが、デスクトップの実体は「%USERPROFILE% \ Desktop」フォルダですので、ディレクトリに含まれても大きな問題にはなりません(図1~2)。

図1: こちらはデスクトップを右クリックして表示されるコンテキストメニューの内容です。まずはこちらをご覧ください

図2: HKEY_CLASSES_ROOT \ Directory \ Background \ shellex \ ContextMenuHandlersキーの内容。コンテキストメニューにある「DreadmSceneの再生」を実現するキーが並んでいます

筆者の環境では独自に導入したオンラインソフトが作成したキーも並んでいますが、通常は「New」キーのみで、Ultimateユーザーなら「DreamScene」キーもあるでしょう。つまりコンテキストメニューの項目は、「ContextMenuHandlers」キー下にサブキーを設け、クラスIDを用いて機能の実現やアプリケーションの実行を実現しているのです。

さて、キー名からも察することができるように、NVIDIA製グラフィックスドライバをインストールしますと、一緒に導入される「NVIDAコントロールパネル」の項目を実現しているのが「NvCplDesktopContext」キーです。まずは同項目を削除する手順から紹介しましょう。

コンテキストメニューから<NVIDIAコントロールパネル>を削除する

クイック検索やファイル名を指定して実行などから「regedit」を実行してレジストリエディタを起動し、HKEY_CLASSES_ROOT \ Directory \ Background \ shellexまでキーをたどって開きます。「ContextMenuHandlers」キーを選択した状態で<ファイル>メニューから<エクスポート>を選択してください。ダイアログが表示されたら任意のファイル名を付けて<保存>ボタンをクリックします。これでレジストリキーのバックアップが完了しました。今度は「NvCplDesktopContext」キーを右クリックし、メニューから<削除>を選択してください。確認をうながすダイアログが表示されたら<はい>ボタンをクリックします。最後に[F5]キーを押して変更内容をシステムに反映させてから、レジストリエディタを終了させましょう(図3~6)。

図3: 「ファイル名を指定して実行」や「クイック検索」のテキストボックスに「regedit」と入力して[Enter]キーを押します

図4: HKEY_CLASSES_ROOT \ Directory \ Background \ shellexまでキーをたどって開き、「ContextMenuHandlers」キーを選択した状態で、<ファイル>メニューから<エクスポート>を選択します

図5: ダイアログが表示されたら、任意のファイル名を入力して、<保存>ボタンをクリックします。これでキーをファイルにバックアップしました

図6: 「NvCplDesktopContext」キーを右クリックし、メニューから<削除>を選択。確認をうながすダイアログが表示されたら<はい>ボタンをクリックします。最後に[F5]キーを押して変更内容をシステムに反映させてから、レジストリエディタを終了させましょう

これでチューニング完了です。デスクトップの何もないところを右クリックしますと、先ほどまであった<NVIDIAコントロールパネル>という項目が削除されました。ちなみに同ツールを起動する場合は、コントロールパネルにある同名のアイコンをダブルクリックしてください。コントロールパネルの表示が標準モードの場合は、「その他のオプション」から参照できます(図7~8)。

図7: 設定完了後はコンテキストメニューから<NVIDIAコントロールパネル>が削除されます

図8: コントロールパネル→その他のオプションと開けば、「NVIDIAコントロールパネル」を起動できます

その他のグラフィックスカード/GPUでも、基本的な手順は同じ。ATI製グラフィックスカードで挿入される、<ATI CATALYST(R) Control Center>を削除する場合は、~ContextMenuHandlers \ ACEキーをバックアップしてから削除(図9)。

図9: ~ContextMenuHandlers \ ACEキーをバックアップしてから削除→[F5]キーと実行すれば、<ATI CATALYST(R) Control Center>が削除されます

Intel製グラフィックスドライバで挿入される、<グラフィックプロパティ>および<グラフィックオプション>は、~ContextMenuHandlers \ igfxcuiキーをバックアップしてから削除すれば、同項目を削除できます。お使いの環境にあわせ、お試しください(図10)。

図10: ContextMenuHandlers \ igfxcuiキーをバックアップしてから削除→[F5]キーと実行すれば、<グラフィックプロパティ><グラフィックオプション>の2項目が削除されます

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)