こんにちは、阿久津です。既報のとおり、Windows 10テクニカルプレビュー ビルド9926がリリースされました。詳しくは拙著記事で述べたように、「コントロールパネル」から「Settings(設定)」への移行や、スタートメニューの再構築など、目を見張るようなリフォームを行っています。

さらにWindows 10テクニカルプレビューには、いくつかの新UIを有効にするための要素が盛り込まれてきました。ビルド9879をもとに第323回で紹介した、新サインイン画面の有効化もその一つです(図01)。

図01 ビルド9879にチューニングを施した新サインイン画面

しかし、ビルド9926で各種チューニングを試したところ、新サインイン画面に変化が確認できました。チューニング内容自体は先の拙著記事と重複しますが、その内容は大きく異なりましたので、今回改めて紹介します。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\ Windows\CurrentVersion\Authentication\LogonUI\TestHooksキーを開きます。
3. DWORD値「Threshold」を開き、データを「1」に変更します(ない場合は作成します)。
4. レジストリエディターを終了します。
5. Windows 10テクニカルプレビューからサインアウトします。

これでチューニングが完了しました(図02~08)。

図02 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図03 レジストリエディターが起動したら、 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\ Windows\CurrentVersion\Authentication\ LogonUI\TestHooksまで、キーをたどって開きます

図04 TestHooksキーを開いて右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックします

図05 値名を「新しい値 #1」を「Threshold」に変更します

図06 DWORD値「Threshold」をダブルクリックし、データを「1」に変更してから<OK>ボタンをクリックします

図07 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了します

図08 設定を有効にするため、スタートメニューのユーザーアイコン→<Sign Out>と順にクリックします

早速結果を確認してみましょう。まずロック画面ですが、チューニング前はWindows 8.xと同じく日時やステータスを表示するアプリケーションのアイコンが並んでいますが、チューニング後は各種アイコンは除外され、右側に電源操作などのアイコンが加わります(図09~10)。

図09~10 チューニング前(上)とチューニング後(下)のロック画面。簡易ステータスと呼ばれるアイコンの代わりに、電源操作や簡単操作を行うアイコンが並びます

ロック画面を解除して現れる新サインイン画面では、チューニング前はサインインするユーザーアカウントを選択してから、パスワードやPINの入力を求められました。チューニング後の新サインイン画面では、画面左下でサインインするユーザーアカウントを選択し、中央部分でパスワードなどを入力する仕組みに変化します(図11~12)。

図11~12 チューニング前(上)とチューニング後(下)のサインイン画面。画面左下でサインインするユーザーアカウントを選択し、画面中央でパスワードを入力します

個人的にはユーザーアカウント画像の丸版(正円などで写真を切り抜きする手法)から柔らかい印象を覚えますが、全体の背景色と画面右下に並ぶボタンの背景色がミスマッチし、IMEアイコンのサイズが他のアイコンと異なるなど、まだまだ改善の余地は少なくありません。そのためビルド9926でも新サインイン画面は初期状態で有効にならなかったのではないでしょうか。

なお、初期状態に戻すにはDWORD値「Threshold」のデータを「0」に変更するか、値自体を削除してWindows 10テクニカルプレビューからサインアウトしてください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus