こんにちは、阿久津です。前回も述べたようにWindows 10テクニカルプレビューのUIは進化の過程にあります。その可能性として新スタートメニューの有効化を紹介しましたが、他にも隠された機能が存在します。

ここでWindowsにおける検索の重要性を少し語らせてください。Windowsは以前から、検索ボックスを用いた(アプリケーションなどの)ショートカットファイルや、ユーザーファイルの参照ロジックを提供してきました。

Windows 8/8.1でスタートメニューを廃止した理由として、モダンUIの導入とスタートメニュー利用者の減少が大きい、とMicrosoftの首脳が述べていました。Windows 10テクニカルプレビューもスタートメニューの検索ボックスだけではなく、検索チャームに変わる機能としてタスクバーに<Search>ボタンを用意しました(図01~02)。

図01 Windows 10テクニカルプレビュー ビルド9879は、タスクバーに<Search>ボタンを用意しています

図02 スタートメニューの検索ボックスから検索を実行した状態。当たり前ですが検索結果に相違はありません

しかし、MicrosoftはWindows 10で検索機能の利便性を高めるため、タスクバーから直接検索を実行する仕組みを導入することを計画しています。古いユーザーであれば、デスクトップ検索が流行った頃の検索ボックスを思い出すとわかりやすいでしょう。Windows 10テクニカルプレビューで同機能が部分的に実装されていることを確認しましたので、今週はWindows 10テクニカルプレビュー ビルド9879の検索ボックスを有効にするチューニングをお送りします。

1. 管理者権限でRegistry Editorを起動します。
2. Registry Editorが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Searchキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. DWORD値「EnableSearchBox」を作成し、データを「1」に変更します。
4. Registry Editorを終了します。
5. Explorerを再起動します。

これでチューニングが完了しました(図03~13)。

図03 [Win]+[R]キーを押して「Run」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04 Registry Editorが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersionまで、キーをたどって開きます

図05 CurrentVersionキーを右クリックし、メニューから<New>→<Key>とクリックします

図06 キー名を「New Key #1」から「Search」に変更します

図07 Searchキーを開き、右ペインの何もないところを右クリックします。<New>→<DWORD Value>と順にクリックしてください

図08 キー名を「New Value #1」から「EnableSearchBox」に変更します

図09 DWORD値「EnableSearchBox」をダブルクリックし、データを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図10 <×>ボタンをクリックして、Registry Editorを終了します

図11 タスクバーの何もないところを[Shift]+[Ctrl]キーを押しながら右クリック。メニューの<Exit Explorer>をクリックします

図12 [ESC]+[Shift]+[Ctrl]キーを押して「Task Manager」を起動し、<File>メニュー→<Run new task>とクリックします

図13 テキストボックスに「explorer」と入力して、<OK>ボタンをクリックします

それでは結果を確認してみましょう。Explorerが再起動した時点でタスクバーの<Search>ボタンは「Search the web and windows」と書かれたテキストボックスに切り替わります。よく見ればマイクアイコンも用意されていますが、こちらは今後実装予定の音声アシスタントシステム「Cortana」を呼び出す機能かもしれません(図14)。

図14 本チューニングでタスクバーの<Search>ボタンが検索ボックスに切り替わります

残念なのはこちらをクリックすると検索結果がそのまま示されるため、検索ボックスとして使用できない点です。この辺りは新スタートメニューと同じように完全実装に至っていないのでしょう。なお、Taskbar(タスクバー)のコンテキストメニューに並ぶ<Search>に階層が加わり、<Search>ボタンと検索ボックスの切り替えが可能になります(図15~16)。

図15 検索ボックスに文字を入力できないため、そのまま空の検索結果が示されます

図16 Taskbarのコンテキストメニューには、<Search>ボタン/検索ボックスの切り替えから無効化などの項目が並びます

チューニング内容を破棄する場合は、DWORD値「EnableSearchBox」を削除してExplorerを再起動してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus