こんにちは、阿久津です。Windows 10はデバイスの状態、キーボードを装着しているか否かによってUIが変化する「Continuum(コンティニュアム)」を実装する予定です。キーボードを必要に応じて取り付けるSurfaceのようなタブレットを使う際に便利な機能と目されています(図01~02)。

図01 2014年10月のWindows 10 発表イベントに登壇した、MicrosoftのJoe Belfiore氏

図02 キーボードの脱着に応じてUIを変更する「Continuum」

発表当初は画面右下に「Desktop/Tablet」モードを切り替えるアナウンスを出して、スタート画面とスタートメニューを切り替えるものでした。しかし、さらなるUIの追加が計画されているのをご存じでしょうか。Microsoftから具体的なアナウンスがないため呼称などは不明ですが、ビルド9879からタッチ操作環境でもスタートメニューモードのまま使うUIを搭載しています。

この新UIは通常の操作では有効にならず、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ Microsoft\Windows\CurrentVersion\ImmersiveShell\Launcherキーに特定のエントリを追加することで、動作することがわかりました。そこで今週は、Windows 10 ビルド9879を対象に、新スタートメニューを有効にするチューニングをお届けします。

1. 管理者権限でRegistry Editorを起動します。
2. Registry Editorが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\ CurrentVersion\ImmersiveShell\Launcherキーを開きます。
3. DWORD値「Launcher」を作成し、データを「1」に変更します。
4. Registry Editorを終了します。
5. Explorerを再起動します。

これでチューニングが完了しました(図03~11)。

図03 [Win]+[R]キーを押して「Run」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04 Registry Editorが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\ Windows\CurrentVersion\ImmersiveShell\Launcherまで、キーをたどって開きます

図05 Launcherキーを開き、右ペインの何もないところを右クリックします。<New>→<DWORD Value>と順にクリックしてください

図06 キー名を「New Value #01」から「UseExperience」に変更します

図07 DWORD値「UseExperience」をダブルクリックし、データを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図08 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了します

図09 タスクバーの何もないところを[Shift]+[Ctrl]キーを押しながら右クリック。メニューの<Exit Explorer>をクリックします

図10 [ESC]+[Shift]+[Ctrl]キーを押して「Task Manager」を起動し、<File>メニュー→<Run new task>とクリックします

図11 テキストボックスに「explorer」と入力して、<OK>ボタンをクリックします

それでは結果を確認してみましょう。そのまま[Win]キーを押すなどしてスタートメニューを開いてください。画面左が従来のスタートメニュー、画面右が新UIのスタートメニューです。ご覧のとおりタッチ操作をしやすくするためか、タイル表示領域を大きく確保しています。さらに電源ボタンの右側には、スタート画面に切り替える(?)ボタンも用意していますが、現時点では動作しませんでした(図12~13)。

図12 こちらはWindows 10テクニカルプレビュー(ビルド9879)のスタート画面

図13 チューニング後のスタート画面。スタート画面とスタートメニューのいいとこ取り、という感じでしょうか

図14 タイルのコンテキストメニューは、ピン留め関係やタイルサイズ変更といった項目が並びます

また、ユーザー名は「Groot」に固定され、「All Apps」をクリックしてもアプリケーションの一覧などは現れないなど、開発途中のUIとみるべきでしょう。気になるのはタイルのコンテキストメニューです。ここからピン留め解除やタスクバーへのピン留め、タイルサイズの変更などが選択できますが、従来の大中小ではなく「2×2」「4×4」と数値を用いたサイズ名が並んでいました(図14)。

各Windowsストアアプリはウィンドウモードで起動することを確認しましたが、あくまでも開発途中の隠された機能のため、正しく動作しない場面が見受けられます。しかし、2015年1月にリリースすると言われるコンシューマー機能を強化した新プレビューで、何らかの回答を得られるでしょう。なお、初期状態(通常のスタートメニュー)に戻すには、LauncherキーのDWORD値「Launcher」を削除して、Explorerを再起動してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus