こんにちは、阿久津です。開発途上版のWindows 10内部バージョンが「10.0」になるという記事がNeowinなど海外のニュースサイトで掲載されました。件のスクリーンショットは表示言語を中国語にし、ビルドを含めたバージョン表記は「10.0.9888」。
現在のWindows 8.1は「6.3.9600」ですから、ずいぶんとバージョンが進んだなります。もちろん機能的な進化というよりも、プラットフォームの統合を示すキーワード"OneCore"に合わせたマーケティング的な変更と言えるでしょう。
気になるのはバージョンチェックルーチンを一桁で判断処理するようなアプリケーションの存在です。現在のWindowsアプリケーションは、マニフェスト宣言などを併用するため、大きなトラブルとはならないでしょうが、古いデスクトップアプリを使用する際は<互換性>タブなどの操作が必要になるかもしれません。
さて、Windows 10テクニカルプレビューは、「Ring Progression」と呼ばれる独自のアップデートプロセスを用いることで、自身の更新頻度アップやユーザーフィードバックを適用しています(詳しくは拙著記事をご覧ください)。
更新頻度を「プレビュー」に変更することで、大多数の環境では最新ビルドへアップデートできますが、一部の環境ではアップデートファイルをダウンロードする際に、「0x80246018」なるエラーが発生しているとか(図01)。
せっかく次期Windows OSをテストしていても、肝心の最新ビルドが使えないのでは面白くありません。そこで今週は、Preview buildsアップデートでエラーが発生している環境向けのトラブルシューティングを紹介しましょう。
1. 管理者権限でRegistry Editorを起動します。
2. Registry Editorが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\WindowsSelfHost\Applicabilityキーを開きます。
3. DWORD値「ThresholdInternal」および「ThresholdOptedIn」を削除します(念のためバックアップを作成してください)。
4. Registry Editorを終了します。
5. OSを再起動します。
これでチューニングが完了しました(図02~09)。
図03 Registry Editorが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\ SOFTWARE\Microsoft\WindowsSelfHost\Applicabilityまで、キーをたどって開きます |
それでは結果を確認としたいところですが、Windows 10テクニカルプレビューの最新ビルド9879は11月上旬にリリースされたばかりですので、確認するすべはありません。ただし、今回の検証した際に文字列値「BranchName」や「ThresholdRiskLevel」を削除すると、「PC設定」の動作が不安定になるトラブルに出くわしました。
DWORD値「ThresholdInternal」や「ThresholdOptedIn」が新ビルドの検出に一役買っていることは確実ながらも、どのような意味合いを持つのか断言できませんので、トラブルが発生していない場合、Applicabilityキーの操作は控えた方が安全でしょう。
ちなみに前述のRing Progressionで「Slow」を選択しているユーザーに対して、ビルド9879の提供が始まったことから、同ビルドのISO形式ファイルをリリースしています。どうしても最新ビルドにアップデートできないというトラブルが発生している場合は、こちらから最新版をダウンロードした方が早いかもしれません。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)