こんにちは、阿久津です。Microsoftが約半年ぶりにWindowsストアの状況をブログで発表しました。それによれば、アクセスユーザーの約8割がWindows 8.1、残り2割がWindows 8を使用中とのこと(図01)。隣に並んでいるのはWindows Phoneのシェアですが、2014年3月を境にWindows Phone 8.1のアクセス数が増えています。ここで気になるのは、Windows Phone 7.5以降見送られてきた、Windows Phoneの日本再投入です。噂レベルですがWindows Phoneブランドの変更後は、日本マイクロソフトによる公式発売が期待できるのではないでしょうか。

図01 WindowsストアにおけるOS別のシェア率(公式ブログより)

さて、Windowsは以前から実行形式ファイルを別のユーザーアカウントで実行する機能が用意されてきました。Windowsに複数のユーザーアカウントを作成している場合、そのユーザーしか参照できないリソースにアクセスする時に使うと便利な機能です。しかし、シングルユーザーで使っているとその存在に気付かないかもしれません。

Windows 8.1の場合、[Shift]キーを押しながら実行形式ファイルを右クリックしますと、コンテキストメニューに<別のユーザーとして実行>が現れます。Windows 8/8.1の場合プログラムメニューを廃止し、スタート画面に並ぶタイルを右クリックしても、同様のメニュー項目は現れません(図02~03)。

図02 [Shift]キーを押しながら実行形式ファイルを右クリックすると現れる<別のユーザーとして実行>

図03 スタート画面に並ぶタイルを右クリックしても、見慣れたメニュー項目しか現れません

Windows 8.1 Update以降、タイルにコンテキストメニューを追加しましたが、実は同メニューに<別のユーザーとして実行>を加えることが可能です。そこで今週はWindows 8およびWindows 8.1を対象に、<別のユーザーとして実行>をスタート画面から実行するチューニングを紹介しましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Windows\Explorerキーを開きます。
3. DWORD値「ShowRunAsDifferentUserInStart」を作成し、データを「1」に変更します。
4. レジストリエディターを終了します。
5. エクスプローラーを再起動します。

これでチューニングが完了しました(図04~12)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Windows\Explorerまで、キーをたどって開きます

図06 右ペインの何もないところを右クリックし、<新規>→<DWORD値>と順にクリックします

図07 値名を「新しい値 #1」から「ShowRunAsDifferentUserInStart」に変更します

図08 DWORD値「ShowRunAsDifferentUserInStart」をダブルクリックし、データを「1」に変更してから<OK>ボタンをクリックします

図09 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了します

図10 タスクバーの何もないところを[Shift]+[Ctrl]キーを押しながら右クリック。メニューの<エクスプローラーの終了>をクリックします

図11 [ESC]+[Shift]+[Ctrl]キーを押してタスクマネージャーを起動し、<ファイル>メニュー→<新しいタスクの実行>とクリックします

図12 テキストボックスに「explorer」と入力して<OK>ボタンをクリックします

では、結果を確認してみましょう。任意のタイル(ここではInternet Explorer)を右クリックしてください。するとコンテキストメニューに<別ユーザーとして実行>が加わっています。さらに同項目をクリックしますと、別のユーザーアカウントを指定するため、ユーザー名およびパスワードの入力を求めるダイアログが現れました(図13~14)。

図13 スタート画面に並ぶタイルを右クリックしますと、<別ユーザーとして実行>が現れます

図14 <別ユーザーとして実行>を選択後は一度デスクトップに戻り、ユーザー名およびパスワードの入力を求めるダイアログが現れます

一度デスクトップに切り替わることからわかるように、<別ユーザーとして実行>が現れるのはデスクトップアプリのみ。Windowsストアアプリのコンテキストメニューには現れません。これはモダンUIの設計やWindows Runtimeが影響していると思われます。なお、本チューニングを破棄する場合はDWORD値「ShowRunAsDifferentUserInStart」を削除し、エクスプローラーを再起動してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus