こんにちは、阿久津です。8月の更新プログラムは、ただならぬトラブルを引き起こしました。本誌記事でも解決方法を紹介していますが、日本マイクロソフトの説明によれば、レジストリ上のフォントに関するエントリと、フォントキャッシュファイルである「%windir%\system32\fntcache.dat」が原因となったそうです。
かく言う筆者も当初は問題ないと高をくくっておりましたが、更新プログラム適用後2回目の再起動で、Windows 8.1の起動中に再起動を繰り返す症状に出くわしました。また、仮想マシン上ではBSoD(Blue Screen of Death)が発生する始末。結局、実機はスタートアップ修復後に更新プログラム導入前の復元ポイントを利用して、トラブルを回避しました(図01、02)。
図01 更新プログラム導入後、仮想マシン上で発生するようになったBSoD。こちらは以前のスナップショットに戻して解決しました |
図02 Windows 7のフォント設定。ショートカットファイルによるインストールを有効にすると、レジストリにフルパスを含むフォントファイルのエントリが加わります |
さて、DVD-ROMなどのインストールメディアがあれば、このようなトラブルが発生しても簡単に修復できますが、Windows 7からWindows 8、そしてWindows 8.1にアップグレードした場合、Windows 7のインストールメディアが手元にあっても無意味です。その際に役立つのが「回復ドライブ」。
USBメモリーなどにWindows RE(Windows Recovery Environment:Windows回復環境)をインストールし、必要最小限の操作を可能にするツールです。今回は、8月の更新プログラムによる被害の大きさを鑑みて、回復ドライブを作成する手順を紹介しましょう。なお、Windows 8/8.1におけるセーフモードの起動は以前の記事をご覧ください。
1. コントロールパネルなどから「回復」を起動します。
2. <回復ドライブの作成>をクリックします。
3. USBメモリーをPCに接続します。
4. ウィザードの指示に従って先に進みます。
これで回復ドライブの作成が完了しました(図03~07)。
では、結果を確認してみましょう。USBメモリー(回復ドライブ)をPCに接続したまま再起動すれば、Windows REが起動します。その後、以下の手順で画面を進めていくと、スタートアップ修復やシステムの復元といった操作が可能になります(図08~12)。
なお、回復ドライブに用いるデバイスは、USBメモリー以外にUSB HDDなども使用できます。作成ウィザードにおける<回復パーティションをPCから回復ドライブにコピーします>は、システムの回復パーティションがあるときのみ選択可能です。その際は4GB以上の容量を持つデバイスを用意してください。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)