こんにちは、阿久津です。Microsoft Security Essentialsなどが参照するマルウェア定義ファイルの更新により、Windows XPおよびWindows Server 2003の起動に支障が生じるというユーザー報告がありました。筆者が所有するコンピューターは既にアップグレード、もしくは他のOSに移行済み。少々気になりましたので、仮想マシン上のWindows XPで確認してみました。
もちろんネットワークはNATに変更し、外部から直接攻撃を受けない設定に変更済みです。この状態でMicrosoft Security Essentialsのバージョン情報を確認すると、マルウェア対策のクライアントは「4.5.216.0」、マルウェア対策エンジンは「1.1.10401.0」、ウイルス対策およびスパイウェア対策の定義は「1.169.2084.0」でした(図01)。
Microsoftの公式ブログ「Antimalware Engine Notifications」によると、このトラブルは4月15日にリリースしたアップデートが原因であるとのこと。Windows Updateを実行したところ、KB2310138のナレッジベース番号で更新プログラムを公開していました(図02)。
早速適用したところ、クライアントバージョンは更新されませんが、マルウェア対策エンジンは「1.1.10502.0」に更新されました。そもそもマルウェア定義ファイルは2015年7月15日(日本時間)までリリースされる予定なので、Windows 8.1のWindows Defenderと同じバージョンの「1.173.263.0」。これらの更新プログラムはMicrosoft Security Essentialsだけではなく、Forefront Client Securityや、Forefront Endpoint Protectionなどのセキュリティ対策製品にも提供されるそうです(図03)。
さて、マルチディスプレイ環境を使っていて、Windows 8.1 Update適用後にマウスポインターがディスプレイの境界線に"張り付くような感じ"を覚える方はいませんか。筆者も3枚のディスプレイを接続していますが、素早くマウスポインターを移動させる場合は問題ありませんが、ゆっくり動かすと違和感があります。今回はWindows 8.1 Update環境に限定し、マルチディスプレイ環境におけるマウススピードのチェックを無効にするチューニングをお送りしましょう。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktopキーを開きます。
3. DWORD値「MouseMonitorEscapeSpeed」のデータを「0」に変更します。
4. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ImmersiveShell \EdgeUIキーを開きます(ない場合は作成します)。
5. DWORD値「MouseMonitorEscapeSpeed」を作成し、データを「0」のままにします。
6. レジストリエディターを終了し、コンピューターを再起動します。
これでチューニングが完了しました(図04~12)。
では、結果を確認してみましょう。マウスポインターをディスプレイの端に近づけても意図しない動作を起こさず、ゆっくり動かしても正常に動作すれば成功です。これがバグなのか仕様なのか確認できませんが、筆者の環境ではHKEY_CURRENT_USER\Control Panel\DesktopキーのDWORD値「MouseMonitorEscapeSpeed」のデータが「1」になっていました。これが原因かもしれません。
また、Windows 8.1 Updateを適用した環境でシステムファイルを調べたところ、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows \CurrentVersion\ImmersiveShell\EdgeUIキーを対象に同エントリを参照している形跡がありました。そのため今回はステップ04~05を追加しましたが、必ずしも必要とは限りません。お使いの環境に応じてお選びください。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)