こんにちは、阿久津です。筆者のコラムではおなじみのMary Jo Foley氏が24日(現地時間)、ZDNetに興味深い記事を寄稿しました。そして、「Microsoftは『Windows Azure』を『Microsoft Azure』に改称する予定がある」というFoley氏の予想通り、25日(同)にMicrosoftから正式な発表が行われました(関連記事)。

Foley氏の記事で注目すべきは、「Windows」というブランドをMicrosoftが重要視しなくなった点でしょう。同社は約30年にわたるブランド名を捨て、自社名をブランド化する方法を選択しようとしています。今回のAzureの動きも「脱Windows」を示す一例と言えます。

しかし、主軸プラットホームから既存のブランドを取り外し、自社名を冠として与えるのはプラスに働くとは思えません。当初はマルチタスクを実現し、複数のアプリケーション実行を可能にする意味で「複数の窓」を指すWindowsという名称に至りましたが、現在の使用方法は再びシングルタスクに先祖返りしつつあります。そのため、Windowsという名称も意味をなさなくなったのかもしれません。

さて、筆者はメインPCのディスプレイカードとしてNVIDIA製を使っています。最近はデバイスドライバーを追いかけるのが面倒なため、「GeForce Experience」という公式ツールをインストールし、ドライバーの更新を任せるようになりました。しかし気になるのが、コンテキストメニューに並ぶ<NVIDIA Control Panel>という項目です(図01~02)。

図01 「GeForce Experience」

図02 デスクトップのコンテキストメニュー。<NVIDIA Control Panel>が邪魔です

第033回でも紹介したように、HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\Background \shellex\ContextMenuHandlers\NvCplDesktopContextキーを削除すれば済む話ですが、デバイスドライバーを更新するたびに同エントリーが作成されるため、少々疲れてきました。そこで今回は、NvCplDesktopContextキーを削除するバッチファイルを作成し、サインイン時に実行するチューニングをお届けしましょう。

1. メモ帳を起動し、バッチファイルを作成します。
2. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
3. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Runキーを開きます。
4. 新たな文字列値を作成し、データをステップ1で作成したバッチファイルのフルパス名に変更します。
5. レジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが完了しました(図03~12)。

図03 メモ帳を起動します

メモ帳に下記の内容を入力して<×>ボタンをクリックします

■資料05 メモ帳に入力するバッチファイルの内容

@echo off
reg delete "HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\Background\shellex\ContextMenuHandlers \NvCplDesktopContext" /va /f

※2行目から3行目にかけての改行は不要

図06 任意の場所にファイル名を付けて保存します。今回はユーザーフォルダーに「DeleteNvidiaMenu.bat」としました

図07 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図08 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Runキーを開きます

図09 Runキーの右ペインを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図10 値名を「新しいキー #1」から「DeleteNvidiaMenu」などわかりやすい名前に変更します

図11 作成した文字列値をダブルクリックし、値のデータを図03~06で作成したバッチファイルのフルパス名に変更して<OK>ボタンをクリックします

図12 <×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

では、結果を確認してみましょう。Windows 8.1に再サインインすると、一瞬コマンドプロンプトのウィンドウが現れますが、コンテキストメニューからは同項目が自動削除されました。他のGPUをお使いの方は第033回を参考にバッチファイルで削除するキーの内容を変更してください(図13)。

図13 コンテキストメニューから、<NVIDIA Control Panel>が取り除かれました

一瞬現れるウィンドウが気になる方はバッチファイルではなく、VBScriptを用いてもいいでしょう。同言語が苦手な方は最初に宣言を行ってから、「ws.run "cmd /c バッチファイル", vbhide」と記述するだけでも構いません。また、タスクスケジューラでイベント発生時のみ実行する方法もありますが、手順が煩雑になるため見送りました。腕に覚えのある方はお試しください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus